〈八神 雪月花 大宮店〉スサノオと“怒り”の使い方
雪月花:「こんにちは。
埼玉大宮ほしよみ堂占い師
八神雪月花です。」
善壱「こんこんなの〜!ご主人の式神、黒狐の善壱なの〜!よろしくなの〜!」
善逸:「ご主人〜! 今日の講義のテーマはなぁに?」
雪月花:「今日は“スサノオ命(すさのおのみこと)”だよ。日本神話の中でも特に“感情”を象徴する神様だね。」
善壱:「あっ、暴れん坊の神様でしょ? 天照お姉ちゃんの神殿ぶっ壊した人!」
雪月花:「……一応、そういうエピソードもあるけど、彼は単なる“荒ぶる神”じゃないんだよ。
怒りや破壊の裏に、“再生と情熱”があるの。」
スサノオの“怒り”は、破壊ではなく変革の力
雪月花:「神話で語られるスサノオの暴走――
それは、感情を抑えられなかった未熟な面でもあるけど、同時に“世界を変えるエネルギー”でもあるの。」
善壱:「世界を変える? でも壊してばっかりだったのに?」
雪月花:「そう見えるけど、彼の行動のあとには“再生”が起きているの。
たとえば追放の後、八岐大蛇(やまたのおろち)を退治してクシナダヒメを救ったでしょ?」
善壱:「あっ! そういえば剣の中から“草薙の剣(くさなぎのつるぎ)”が出てくるやつ!」
雪月花:「そう。あれは“怒りを制御した先に生まれる叡智”を象徴しているんだよ。
怒りを爆発させて終わりじゃなく、その力を『守るため』『変えるため』に使う。
それが、スサノオが人間に教えてくれた“感情の使い方”なの。」
善壱:「なるほど〜。じゃあ僕が怒ってご主人のプリン食べちゃったのも……」
雪月花:「それはただの八つ当たりです。」
善壱:「……はい。」
占いにおける“スサノオ的エネルギー”
雪月花:「四柱推命や宿曜、九星気学などの占いでも、“火の気”や“破の星”を持つ人はスサノオ的な性質を持つことが多いんだよ。」
善壱:「つまり怒りっぽいってことなの?」
雪月花:「怒りっぽい、というより“止まれないエネルギー”だね。
理不尽を許さず、現状を壊してでも理想を求める――そういう魂の性質よ。
でもこのエネルギーを誤って使うと、対人トラブルや自己否定に繋がる。」
善壱:「うわぁ…スサノオさんも職場で怒られてそうなの〜」
雪月花:「たぶん部署異動になってるわね。」
善壱:「人事の神様も大変なの〜!」
雪月花:「でも逆に、“破壊”を恐れず“変革”のために動ける人は、運命の流れを自分で切り開けるの。
新しい仕事、人間関係、恋のご縁を結ぶチャンス――
それを掴む瞬間には、いつも“スサノオの風”が吹いているんだよ。」
感情は、抑えるものではなく“祈るように使うもの”
雪月花:「人は“怒り”を悪い感情だと思いがちだけど、
本当は“守りたい心”が強すぎるときに生まれる自然な力なの。
スサノオがクシナダヒメを救ったように、
怒りは“愛の裏返し”なのよ。」
善壱:「じゃあ僕がご主人のプリン食べたことに怒ってるのも……」
雪月花:「それは“信頼の裏返し”ね。」
善壱:「よかった〜! 愛じゃなかった〜!」
雪月花:「……ちょっとだけ反省しなさい。」
今日の神託:
“怒りを恐れるな。心を動かす力は、破壊ではなく創造のはじまり”
― 建速須佐之男命
雪月花:「次回は、“天照大神と心の光”をテーマに話しましょうか。」
善壱:「やった〜! 太陽回! 僕、眩しくて目が細くなっちゃうの〜!」
雪月花:「……もとから細いよ、ぜんくん。」
あとがき
感情の波に飲まれそうなとき、
スサノオ命の物語を思い出してください。
“壊す”ことは、“変える”こと。
怒りはあなたの魂が「まだ終わりたくない」と叫ぶ声です。
その声を、占いを通して聴き、整え、
次の“再生”へと導く――
それが、神々の声を伝える私の役目です。
八神雪月花
そして、黒狐の善壱 より。