ブログ

阿佐霧 峰麿

〈阿佐霧峰麿〉後悔していないのに苦しい── 心だけが遅れてしまうという現象(第一章⑨)

振り返ると、私は昔から

自分を責める”という発想が驚くほど薄かった

 

 

離婚を決めたときもそうだった。

 

 

後悔や自己否定ではなく、

「当時の自分が出した結論」として淡々と受け止めていた。

 

 

 

円形脱毛症が出た日でさえ、ショックよりも

「ずっと張り詰めていたし、まあこうなるよな」

という温度のほうが近かった。

 

 

 

 

私にとって過去の選択は、

その時々の自分が全力で選んだ“事実”であって、

わざわざ責める対象ではなかった。

 

 

けれど──

頭がそう理解していても、

心はまったく別の場所で静かに遅れていった

 

 

 

離婚。生活の変化。

職場の緊張と責任。

 

そして、誰にも寄りかからず生きてきた人生の癖

 

 

 

どれひとつとして

“責めるべき過去”ではないのに、

心だけがこれらを抱えたまま止まっていた。

 

 

 

 

前に進んでいる実感はある。

けれど胸の奥の重さだけが抜けない。

 

 

理由が分からない疲労が、

日常の底に沈んでいる。

 

この“何がつらいのか分からない”という感覚こそ、

心が置き去りになるときの典型的なサインだ。

 

 

 

そして私はその構造に、しばらく気づけなかった。

 

 

 

 

幼い頃から母の愚痴を受け流し、

弟や妹を世話し、

自分の感情より“場の安定”を優先して育ってきた。

 

 

誰かに頼るという回路は、

そもそも形成されていない。

 

 

 

生き延びるために必要だった処世術が、

いつのまにか大人になった私の

“標準設定”になっていた。

 

 

 

だから、心が遅れていること

にも気づけなかった。

 

 

 

 

ただ、占いを学ぶ時間だけは

胸の奥のざらついた部分に、

わずかな光を当ててくれた。

 

 

四柱推命や紫微斗数の概念を読み進めるうちに、

私は少しずつ理解し始めた。

 

 

 

心の遅れは、

「過去を責める」ことで解消するのではなく、

「過去の自分を拾い直す」ことでしかほどけない

 

 

 

“あの時こうしていれば”という後悔ではない。

 

あの時、何が置き去りになったのか”

を探しに行く作業だ

 

 

 

私の場合、その因果が珍しいほど明確だった。

 

離婚という節目、

会社の体制変更による負荷、

相談回路の欠如、

長男として育った背景。

 

心が遅れた理由はきれいに並んでいた。

 

 

 

でも── 原因が分かることと、

その遅れを回収する方法が分かることは、

まったく別の話だった

 

 

 

理解していても、

心の速度はなかなか追いつかない。

 

 

現実のほうが先に進みすぎて、

心が息切れしてしまうときがある。

 

 

 

けれど、これだけは確かに言える。

 

 

心の遅れは“甘え”ではない。

 

遅れがあるのは、あなたが弱いからではなく、

その時のあなたが必死に走り続けた証なんだ。

 

 

 

 

 

もし今、

理由の分からない疲れや重さを抱えている人がいるなら

 

それは“責めるべき過去”があるからではなく、

 

まだ拾われていない過去の自分”が

静かにそこに立ち尽くしているだけなのかもしれない

 

 

 

その小さな違和感に手を伸ばすところから、

心は再び歩き出す

 

—————————————————————

 

言葉でも、声でも、対面でも──

その日のあなたに合う距離で。

 

そっと寄り添える場所として、

ここにいます。

 

—————————————————————

X(旧Twitter)

運勢・ブログ更新・待機スケジュールなど、

日々の動きをすべてこちらでお知らせしています。

 

✦ 対面鑑定(原宿ほしよみ堂 / 毎週土曜日)👈ご予約はこちら

直接向き合いながら、未来の焦点を整える時間。

 

✦ プロフィール・ブログ一覧

阿佐霧 峰麿の歩みと、全ブログのアーカイブ。

 

✦ 電話占いヴェルニ

その日の気持ちをそのまま置ける場所。

(ほぼ毎日待機中|スケジュールはこちら)

 

※各項目はタップでリンク先に移動できます。

  • 「ほしよみ堂」youtubeチャンネル
  • 占い師募集

占いのことなら|ほしよみ堂 > ブログ > 〈阿佐霧峰麿〉後悔していないのに苦しい── 心だけが遅れてしまうという現象(第一章⑨)