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阿佐霧 峰麿

〈阿佐霧峰麿〉痛みは“最初の言葉”を拒む──なぜあなたの痛みは、言葉にならないまま沈んでいくのか(第二章②)

どれだけ本を読み、どれだけ語彙があっても、

 

自分の痛みを言葉にすることだけは、

いつまでも難しい。

 

 

 

これは私自身が

いちばん痛感してきたことだった。

 

 

たとえば思春期の頃。

母に何か言われても、

「別に」「…いや、特に」

 

そんな曖昧な返事ばかりしていた。

 

 

言いたいことは山ほどあるのに、

言葉にした瞬間、

すべてが“本物”になってしまう気がして怖かった。

 

 

 

 

人に伝えない限り、

感情は曖昧なままでいられる。

 

 

曖昧さは、人を守る。

 

 

だから私は、

自分の感情をそのまま言語化することを

できるだけ避けてきた。

 

 

これは、長男として

場の空気を読むため……なんて

綺麗な理由ではない。

 

 

もっと単純で現実的だ。

 

「言っても通じない」

「説明しても余計に疲れる」

 

そんな経験を重ねるうちに、

“発言する意味”を見失っていった。

 

 

 

言葉というのは、本来ただの記号ではない。

 

 

発した瞬間に、

その場の空気、温度、緊張、願い、呼吸、

あらゆるものを“封じ込める行為”だ。

 

 

 

たとえば「つらい」と口にした瞬間、

その痛みは曖昧さを失い、輪郭を持ち始める。

 

 

 

逆に言えば、

輪郭を持つまでの時間を稼ぐために、

人は言葉を飲み込む

 

 

 

 

だから大人になっても、

私はいつでもこうだった。

 

“気持ちを話すより、行動するほうが速い”。

 

“説明して理解を得るより、

自分一人で片付けるほうが楽”。

 

 

 

この生き方のまま離婚を経験し、

仕事に追われ、環境が変わり、

 

心が静かに遅れていくことに気づけなかったのは、

むしろ当然だったのかもしれない。

 

 

 

 

痛みというのは、

最初の言葉を発する時に、いちばん抵抗する

 

 

理由はひとつだ。

 

 

言葉に変えた瞬間、その痛みは

“自分のもの”になってしまうから。

 

 

 

曖昧なままの痛みは扱いやすい。

 

後回しにしても、自分を騙せる。

忙しさに紛れさせることもできる。

 

 

けれど言葉にしてしまうと、

もう逃げられない。

 

 

 

痛みの形と、向き合う場所と、

温度と、責任が生まれる。

 

 

私はその重さを本能的に知っていた。

 

 

 

だからこそ、痛みを言葉にするタイミングを

ずっと先延ばしにしてきた

 

 

しかし、言葉にしなかった痛みは、

決して消えてくれるわけじゃない。

 

 

 

むしろ、

誰にも触られずに放置された痛み”は、

静かに、忠実に、心の奥へ沈んでいく

 

 

 

その沈黙が長く続いた後に現れたのが、

私の場合は円形脱毛症だった。

 

身体が先に限界を伝えてきた。

 

心はまだ認めていなかったのに、

身体のほうが先に真実を語った。

 

 

 

言葉にしなかった痛みは、

必ずどこか別の形になって浮上する

 

 

 

 

 

そして、ここがこの章の核心だ。

 

 

痛みを言葉にする技術とは、

ただ“話す”ことではない。

 

痛みが表に出てくるための“出口”を

自分の中に作る作業なのだ。

 

 

 

その出口がないまま走り続ければ、

痛みは必ず体か行動のどちらかを通して姿を現す。

 

 

 

 

もし今、

自分の内側で説明のつかない重さを

抱えている人がいるなら、

 

 

それは弱さではない

 

 

言葉になる準備が整っていないだけだ。

 

 

 

言葉にする力は、才能ではなく、

後から育てることができる“技術”だ

 

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言葉でも、声でも、対面でも──

その日のあなたに合う距離で。

 

そっと寄り添える場所として、

ここにいます。

 

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