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あぐり

必要な情報が知らされない職場・・・どうしたらいい?

冬の気配が深まりゆく頃、
彼女は職場のデスクに指を組み、
ひとつ深く息をついた。

懸命に、誠実に、
一歩ずつ売上を積み重ねてきたはずなのに、
肝心な情報は、どこか見えない壁の向こう側にある。

販売ルート。
宣伝方法。
そして、いくつも散らばる「知らされていない何か」。

努力しても、見えない扉が閉ざされている。
そんなもどかしさが、胸を締めつけていた。

そのとき立てた易は――
「天火同人(てんかどうじん) 二爻」。

天に輝く太陽、
地に燃える火。
異なる場所にありながら、
同じ志をもって呼応し合う象徴。

本来、会社という場所は
ひとつの志を共有し
共に繁栄へ向かうための器のはずだ。

そこには透明さがあり、
広い野原のように
光と風が等しく通う環境が望ましい。

卦辞はこう告げる。
「同じ志の者が、広々とした場所で力を合わせるとき、
どれほど大きな事業であっても成し遂げられる。
正しき道を貫けば、必ず道は開かれる」と。

だがいまの職場には、
その広々とした「野」が見えない。

二爻が示すのは、
「仲間内だけで情報を持ち、
こそこそと進めようとする状態」。

閉ざされた部屋でのみ囁かれる秘密。
志を同じくするはずの人々が
互いに背中を見せ合っている。

その影は、やがて組織全体を蝕む。
情報格差は不信を生み、
不信はやがて会社の利益をも蝕むからだ。

だから、この易は諭す。

憎しみから問いただすな。
不満をぶつけるためでもない。

大切なのは――
「全体の利益」のために声を上げること。

それは勇気を必要とするけれど、
太陽と火とが志を交わすように、
公明正大な意図は必ず誰かに届く。

彼女が取るべき道は、静かに、しかし確固としている。

閉ざされた扉を責めるのではなく、
「開かれた場所へ出よう」と呼びかけること。

会社の未来のため、
共に働くすべての人のため、
そして――
誠実に働き続けてきた自分自身のために。

こうして声を上げるとき、
そこには一筋の光が差し始める。

同じ太陽の下で、
同じ火を灯す仲間たちと肩を並べるために。

天火同人は告げている。

志を共にする者たちは、
本来、同じ方角を見ているはずだと。

だからこそ、彼女は迷わず進めばいい。
閉塞の風はやがて止み、
透明な空がひらけるだろう。

そのとき彼女は、
燃え続けてきた自分の小さな火が
誰かを照らし、
誰かの希望となっていたことに
気がつくだろう――。

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