芽百マミム
第3章 甘やかさない愛に、私は静かに支えられていた

子どもたちは相変わらず天真爛漫で、
毎日を全力で生きていた。
大人の事情や、家の中に漂う緊張など、
まだ知らなくていい世界を背負わせまいとするかのように、
ただ真っ直ぐに笑っていた。
両親は隣の市に住んでいて、
週末には子どもたちを連れ出し、
遊びに連れってくれたり何気ない時間を一緒に過ごしてくれた。
私が仕事で忙しい日は、
当たり前のように保育園のお迎えにも行ってくれた。
両親は決して、私を甘やかすような言葉は言わなかった。
「大丈夫?」と必要以上に心配することもなければ、
「無理しなくていい」と逃げ道を用意することもなかった。
ただ黙って、やるべきことをやってくれていた。
そして、
孫たちには一度も声を荒らげなかった。
叱ることはあっても、
怒ることはしない。
その姿勢は一貫していて、
子どもたちは安心した表情で祖父母に甘えていた。
私の体に残るアザを見たとき、
両親の胸の内がどれほど痛んだのか、
当時の私は深く考えられなかった。
きっと、
責めることも、問い詰めることもせず、
ただ心苦しさを飲み込んでいたのだと思う。
それでも両親は、
私に「こうしなさい」とは言わなかった。
選ぶのは私だと、
黙って見守っていた。
その沈黙の中にあったのは、
私への信頼と、
孫たちへの強い想いだった。
私は、壊れてはいなかった。
体に傷はあっても、
心の奥には、
早くこの環境から抜け出すという
はっきりとした意志が残っていた。
この場所では、
子どもたちは幸せになれない。
そして私自身も、
これ以上ここに留まる理由はなかった。
悩みはあった。
迷いも、恐れもあった。
それでも決断は、
静かに、しかし確実に固まっていった。
まだこの時の私は、
占い師になる未来など想像もしていない。
けれど、
人生が大きく切り替わる直前の感覚だけは、
はっきりと覚えている。
次の章では、
私が「離婚」という選択を、
現実のものとして動かし始めた日々について
綴っていこうと思う。
ここまで読んでくださり、
本当にありがとうございます。
重たい内容も含まれていたと思いますが、
こうして最後まで目を通してくださったことに、
心から感謝しています。
この物語は、
「強さ」や「正解」を伝えたいのではなく、
迷いながらも選び続けてきた
ひとりの母親の記録です。
もし今、
似たような想いや環境の中にいる方がいたら、
「ひとりじゃない」ということだけでも
感じてもらえたら嬉しいです。
次の章では、
私が実際に動き出し、
人生が大きく切り替わっていく過程を
綴っていきます。
決断の瞬間、
子どもたちへの想い、
そしてその先に待っていた現実。
すべてが、
今の私へとつながる大切な道でした。
また、続きを読みに来ていただけたら嬉しいです。
原宿ほしよみ堂
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