芽百マミム
第5章 揺れる感情の先で、私は限界を知った
離婚の決意は、
すでに私の中で固まりつつあった。
それでも、人の心は単純ではない。
決めたはずなのに、
子どもたちと過ごす何気ない時間の中で、
感情は何度も揺れ動いた。
保育園の行事。
運動会や発表会。
一生懸命こちらを探す子どもたちの視線に、
「この選択は本当に正しいのだろうか」
そんな思いが胸をよぎることもあった。
実家では、
孫たちは初孫ということもあり、
両親にとても可愛がられていた。
私は夫を抜きにして、
子どもたちを連れて行くこともあった
連れて行った方が良いのではないかとか
母の日や父の日にはプレゼントを持って行っていた
そこでは、
子どもたちはのびのびと笑い、
子供達の為にと言う想いが強かった。
ある日、
体にできたアザを、
思い切って親に見せに行った。
助けてほしいというより、
現実を知ってほしかっただけだった。
返ってきたのは、
「あら〜……」
という、どこか他人事のような反応。
深く問い詰められることもなかった
もし兄が同じことをしていたら、
うちの親なら間違いなく激しく叱ったはずだ。
その違いを感じた瞬間、
私は悟った。
誰に相談しても、この問題は解決しない。
限界は、
太ももに大きなアザができた日だった。
鏡に映るそれを見て、
私は警察へ向かった。
その日から夫とは別居となる
そこに反省の色はほとんどなかった。
謝罪というより、
「問題になったことへの不満」
そんな空気の方が強かった。
その姿を見たとき、
私は妙に冷静だった。
怒りも、悲しみも、
もう湧いてこなかった。
ああ、
この人は変わらない。
そして、
変わる必要がないと思っている。
その事実が、
私の中の最後の迷いを
静かに消した。
我慢し続ける未来も、
話し合いでどうにかなる可能性も、
その瞬間、すべて現実ではなくなった。
警察に行ったのは、
誰かを罰したかったからではない。
怒りをぶつけたかったからでもない。
ただ、
子どもたちと自分の命を守るため。
その選択をした自分を、
私は初めて
「間違っていない」と思えた。
次の章では、
警察のあとに始まった現実、
そして本当の意味での
シングルマザーとしての第一歩について
つづっていこうと思います。
今日も読んでくれてありがとうございました。
また続きを読みに来てくれたらうれしいです。
原宿ほしよみ堂
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