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あぐり

人を大切にしない職場は、去るべきか

静かで、しかし苛烈な問いです。
「人を大切にしない職場は、去るべきか」。
そして、あなたはその問いを、山地剥・上爻という、極限の卦に託した。

山地剥は、「削がれ、剥がれ、支えが失われていく時」を表します。
制度、信頼、言葉、倫理──それらが一枚ずつ剥がれ落ち、
最後に残るのは「その人が本当に持っているもの」だけになる。

上爻は、その極点です。

碩果不食。君子得輿。小人剥廬。
大きな果実は、もはや誰にも食べられない。
君子は車を得て進み、小人は住処を失う。

ここで語られているのは、「勝ち負け」ではありません。
もっと冷酷で、しかし公平なもの──時の選別です。

あなたが苦しんでいる職場は、
・情報を隠す
・人を出し抜く
・信頼を軽視し、短期的な成果だけを競う
そうした行動が“合理的”として許されている場なのでしょう。

確かに、仕事は仲良しクラブではありません。
しかし易は、こう告げています。
信頼を破壊して得た成果は、長くは乗り物にならないと。

「小人剥廬」とは、
一時は勝っているように見える人ほど、
環境が崩れたとき、立つ場所すら失う、という象です。

一方、「君子得輿」。
君子とは、清廉潔白な聖人のことではありません。
信頼を裏切らない力を、最後まで手放さなかった人です。

あなたは、
「仕事は信頼関係によって運営されるべきだ」と感じている。
それは甘さではありません。
山地剥の最終局面において、それは唯一、未来に持ち越せる実力です。

この卦が告げる対処法は、はっきりしています。

今、無理に戦わなくていい。
価値観を裏切ってまで、そこに留まらなくていい。
ただし、衝動的に逃げるのでもない。

碩果不食──
あなたの中に残った「大きな果実」は、
今の場所では使われないが、腐ってもいない。

だからこそ、
今は耐え忍び、力を温存し、
「どこへ輿を走らせるか」を見極める時です。

辞めるべきかどうか、という問いへの易の答えは、
「今すぐ白黒をつけるな」です。
しかし同時に、
ここが終わりの場であることは、すでに見えている

あなたが悪いのではない。
あなたが弱いのでもない。
ただ、その職場が、剥がれ落ちる段階に入っているのです。

人を踏み台にしなければ生き残れない場は、
いずれ全員の足場が消える。

あなたはもう、次の車に乗る準備を始めていい。
静かに、誇りを失わずに。
それが、この卦の、もっとも深い読み解きです。

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