②なぜ人は「執着」を「ご縁」だと思い込んでしまうのか

 

人間関係に悩む方の多くが、

こんな言葉を口にされます。

 

「でも、この人とは縁がある気がして」

 

「簡単に切れる関係じゃないんです」

 

 

けれど心理の視点から見ると、

それは必ずしも“縁”とは限りません。

 

 

人が執着を縁だと勘違いしてしまう一番の理由は、

失うことへの不安です。

 

 

人は本能的に、

慣れ親しんだ関係や環境を手放すことに強い抵抗を感じます。

 

たとえそれが、苦しさを伴う関係であったとしてもです。

 

 

また、日本人には特に

 

「情」

 

「責任感」

 

「立場」

 

を大切にする心理があります。

 

長く付き合ってきたから。

 

家族だから。

 

同じ職場だから。

 

迷惑をかけたくないから。

 

 

こうした思いが積み重なると、

関係を続けている理由が

 

「心地よいから」ではなく

 

「離れたら悪い気がするから」

 

にすり替わっていきます。

 

 

ここで起きているのが、執着です。

 

 

心理的に見ると、執着の裏側には

 

「自分はこれを失ったらダメになるかもしれない」

 

という思い込みがあります。

 

 

しかし、本当のご縁は

あなたの存在価値を条件付きにしません。

 

頑張らなくても、役割を演じなくても、

そのままで成り立つ関係です。

 

 

一方、

 

執着の関係では無意識のうちに自分を抑え、

 

合わせ、耐えることが増えていきます。

 

「嫌だ」と感じる感覚に、蓋をする癖もつきやすくなります。

 

 

大切なのは、自分を責めないこと。

 

執着は弱さではなく、

 

あなたが人とのつながりを大切にしてきた証でもあるからです。

 

 

ただ、気づいてあげることは必要です。

 

今の関係は、安心から続いているのか。

 

それとも、不安からしがみついているのか。

 

 

その問いに正直になったとき、

 

人間関係は少しずつ、本来の形へと整い始めます。

 

 

 

次は

③縁がある人とは、

なぜ無理に分かり合おうとしなくていいのか

をお届けします。

 

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