判断を預けないために、構造を持つという選択(第四章③)
感情で決めるには重すぎる。
勢いで選ぶには遅すぎる。
そして何より、
再現性のない他人の判断に、
自分の人生を賭ける気にはなれなかった。
この感覚は、
あの頃の私の中では、とても明確だった。
世の中には、無数の
「正解らしきもの」が転がっている。
似た境遇の体験談。
誰かの成功例。
もっともらしい助言。
けれど、それらはどれも
その人の人生でしか成立しなかった答えだ。
同じ年齢でもない。
同じ性格でもない。
同じ環境でも、同じタイミングでもない。
条件が一つ違えば、
結果は簡単に変わる。
それなのに、誰かの判断をなぞることで
自分の人生までうまくいくと思えるほど、
私は楽観的ではなかった。
だから私は、
「答え」を探すのではなく、
判断できる基準そのものを求め始めた。
そのとき、
私が手に取ったのが占いだった。
占いといっても、
未来を言い当ててほしかったわけではない。
慰めてほしかったわけでも、
背中を押してほしかったわけでもない。
知りたかったのは、
・自分は、どういう判断をしやすい人間なのか
・どんな局面で無理をしやすいのか
・どんな流れの中で選択を誤りやすいのか
つまり、
自分という人間の構造だった。
命式や星の配置を読み解いていく作業は、
私にとって「当たる・当たらない」の話ではなかった。
それは、
自分の思考の癖や、行動の傾向、
力の入りやすい場所と、抜けやすい場所を
地図のように可視化していく作業だった。
感情が揺れたとき。
決断を迫られたとき。
未来が見えなくなったとき。
「今の不安は、性格由来なのか」
「これは一時的な流れなのか」
「ここで動くときか、待つときか」
そう問い直すための
外部に置かれた判断軸として、
占いは機能し始めていた。
それは依存ではなかった。
むしろ逆だ。
感情や空気に振り回されず、
他人の声に流されず、
自分で決めるための
“支点”を持つ、という選択だった。
このとき私は、
はっきりと実感していた。
構造を持つと、
世界は少し静かになる。
説明を急がなくていい。
答えを即座に出さなくていい。
迷っている自分を、否定しなくていい。
判断を預けないために、
私は初めて、自分の足場を手に入れたのだ。
それはまだ未完成で、
頼りなく、試行錯誤だらけのものだった。
けれど確かに、
「自分の人生を、自分で引き受けるための土台」
になり始めていた。
この感覚こそが、
次に私をさらに深い構造へ
導いていくことになる。
――ここから、
私は「占いを使う側」の人間へと、
ゆっくり立ち位置を変えていった。
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