心を疲れさせない選択の仕方(第三章④)
心を判断材料として扱うようになってから、
私の中でひとつだけ、
はっきり変わったことがある。
それは、
「無理をする回数」が目に見えて減った、
ということだった。
以前の私は、
できるかどうかより先に
「やるべきかどうか」を考えていた。
期待に応えたほうがいい。
今断ったら後がないかもしれない。
ここで踏ん張らないと評価が下がる。
そうやって選んだ行動の多くは、
あとから必ず、心に遅れを生んだ。
疲労が溜まる。
集中が切れる。
理由もなくイライラする。
そして最後に、
「自分はやっぱり弱いのかもしれない」
という結論に辿り着く。
今思えば、
問題は弱さではなかった。
選び方だった。
心をセンサーとして
使うようになってから、
私は行動の前に、
ある一点だけを見るようになった。
それは、
「この選択は、心を消耗させるか、それとも支えるか」
という視点だ。
ここで大事なのは、
楽かどうかではない。
大変でも、
心が前を向く選択はある。
逆に、
一見ラクそうでも、
心をすり減らす選択もある。
たとえば──
人と会う約束。
以前の私は、
気が進まなくても引き受けていた。
断る理由を探すより、
行ってしまったほうが早い。
そう思っていたからだ。
けれど今は、
約束を入れる前に、
一度だけ自分に聞く。
「この時間のあと、
心は軽くなりそうか、重くなりそうか」
答えが「重そう」なら、
理由をつけて断る。
それは逃げではない。
消耗を未然に防ぐ判断だ。
もうひとつ、
仕事の判断も同じだ。
以前は、
限界が来てから休んでいた。
今は、
「そろそろ鈍くなってきた」
という感覚が出た時点で、
一度手を止める。
五分、席を立つ。
外の空気を吸う。
何も考えない。
それだけで、
心のセンサーは回復する。
壊れた心で生きる技術とは、
自分を追い込まないことではない。
追い込みすぎないラインを知ることだ。
腰痛と同じで、
限界を超えてから対処しても遅い。
「今日はここまで」
「これは明日に回す」
その判断を、
心の違和感で行えるようになる。
すると不思議なことに、
人生全体のスピードが整ってくる。
急ぎすぎない。
遅れすぎない。
自分の感覚に合った速度で、
進めるようになる。
そしてもうひとつ、
大きな変化があった。
自分の選択に、
言い訳がいらなくなった。
無理をしない理由。
断る理由。
休む理由。
それらを
誰かに納得させる必要がなくなった。
心のセンサーが
「今は違う」と言っている。
それで十分だった。
この感覚を手にしてから、
私はようやく理解した。
毎日の小さな選択で、
心をすり減らさないようにすること。
疲れ切る前に止まり、
回復できる余白を残すこと。
その積み重ねが、
人生を静かに、確実に変えていく。
心は、
鍛えるものではない。
管理するものでもない。
信頼して、使い続けるものだ。
そう思えたとき、
私は初めて、
自分の人生を自分で運転している
という感覚を持てたのだ。
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