― 大人の関係を長く続けるために ―

年齢を重ねるほど、
「人とのつながり」は大切なものになります。
家族、友人、仕事仲間、趣味の仲間…。
誰かと気持ちを共有できることは、
人生に温かさと安心感を与えてくれます。

その一方で、
仲間意識が強くなりすぎると、
ふと「少ししんどいな」と感じる瞬間も
出てくるものです。

毎回同じ行動を求められたり、
気持ちの温度を合わせることが
いつの間にか義務のようになっていたり。
本当は嫌ではないのに、
「面倒だな」と感じてしまう自分に
罪悪感を覚える方もいらっしゃるかもしれません。

けれど、それは冷たいからでも、
協調性がないからでもありません。
むしろ、とても自然な感情です。

熟年期に入ると、
体力や気力の波は人それぞれ。
若い頃のように無理を重ねることは、
心にも体にも負担になります。
だからこそ今は、
「一緒にいること」より
「心地よくいられること」が大切なのです。

本当の仲間意識とは、
常に同じ場所にいることではなく、
必要なときに、
無理なく手を差し伸べ合える関係。
距離を置く時間があっても、
気持ちが切れてしまわないことです。

少し休みたい時は、休んでいい。
参加できない日があっても、
自分を責めなくていい。
そう思える関係こそ、
長く続いていくご縁なのだと思います。

大人になった私たちは、
「合わせる力」ではなく
「選ぶ力」を持っています。
誰と、どんな距離で、
どんな時間を過ごすのか。
それを決めるのは、他の誰でもなく、
あなた自身です。

仲間意識に縛られすぎず、
でも孤立もしない。
そのちょうどいいバランスを
見つけていくことが、
これからの人生を
より穏やかで豊かなものにしてくれます。

今日もどうか、
自分の心が「楽だな」と感じる方へ。
それを選ぶことを、
自分に許してあげてくださいね。