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唯真伊由

支えているつもりで、 置き去りにしていたもの

第1章|第8話

仕事は、相変わらず忙しく過ぎていきました。

任されることが増え、
頼られる場面も多くなり、
私の一日は、
常に誰かの予定と責任で
埋まっていました。

新人の相談。
数字の確認。
チームの調整。
上からの期待。

気がつけば、
「自分の時間」という感覚が
どこにあったのか、

思い出せなくなっていました。

家に帰っても、
頭の中は仕事のまま。

今日のあの一言は大丈夫だったか。
あの人の不安は、少し軽くなっただろうか。

人のことばかり考えていて、自分の心が
何を感じているのかは、
後回しになっていました。

それでも私は、
「これでいい」と思っていたのです。

誰かの役に立っている。
必要とされている。
結果も出ている。

そう思えることが、
自分の存在価値のように
感じられていました。

けれど、
ふとした瞬間に、
胸の奥が静かに冷えることがありました。

誰にも何も言われていないのに、
理由もないのに、
心だけが、
ぽつんと取り残されたような感覚。

私はそれを、
疲れのせいにしました。

忙しい時期だから。
責任がある立場だから。
弱音を吐くほどではない。

そうやって、
小さな違和感を
何度も飲み込んできました。

支えている側でいることは、
私にとって自然な役割でした。

でもその役割の中で、
誰が私を支えているのか、
考えることは
ほとんどありませんでした。

私はまた、
「ちゃんとしている私」を
選んでいたのだと思います。

揺れない人。
迷わない人。
頼れる人。

そうでいることが、
正しいと思っていました。

ただ、
その裏で、
確かに何かが
少しずつ
削れていったのです。

それが何なのか、
この時の私は、
まだ言葉にできませんでした。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました☆彡

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