芽百マミム
第11章 縁は、母から先に動いていた

彼は、
もともと母の知り合いの子どもだった。
私自身は、
中学生のころに顔を知っている程度。
同じ地元でも、
通っていた学校は違い、
深く関わることはなかった。
自宅に母と行った事はあった
彼はその時、部活でいなかった。
犬とたわむれて遊んでいた記憶があった。
再び名前を聞いたときは
特別な感情はなかった。
先に連絡を取っていたのは、
私ではなく母だった。
「久しぶりに連絡が来たの」
そんな何気ない一言から、
この流れは始まっていた。
母を通して聞く近況。
関東で暮らしていること。
元気にしていること。
ただそれだけの話題だったはずなのに、
なぜか心のどこかに残った。
そこから、
私とも連絡を取るようになり、
やり取りは少しずつ増えていった。
気づけば、
連絡は毎日続いていた。
彼は関東。
私は地元。
距離はあるのに、
言葉のやり取りは不思議と無理がなかった。
期待しすぎることもなく、
警戒しすぎることもなく、
ただ、
会話が自然に続いていく。
夏になり、
彼が帰省することになった。
再会は、
私と彼、
そして母の三人。
どこか改まった場というより、
「久しぶりだね」と
時間の続きを確かめるような空気だった。
中学生のころ、
同じ地元にいながら、
違う学校で、
違う時間を生きていた私たち。
当時は、
交差しなかった人生が、
今になって
こんな形で重なるなんて、
不思議でしかなかった。
母と彼が話す様子を見ながら、
私は静かに思っていた。
この再会が、
ここから先につながるなんて、
想像もしていなかった、と。
恋が始まった、
という感覚でもない。
ただ、
心の奥で
何かが動き出しているのを
確かに感じていた。
人生には、
自分が動く前に
縁のほうが先に動くことがある。
今回の再会は、
まさにそんな出来事だった。
この不思議な流れが、
どこへ向かうのか。
その意味が明らかになるのは、
もう少し先のこと。
物語は
第12章へと進んでいきます。
本日もありがとございました。
次回もまた読みに来てくれたらうれしいです♡
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