風河フーガ
クリスマスイブに思うこと🌹風河フーガ
クリスマスイブは
イエス・キリストが生まれる前日。
その夜になると、私は自然とイエスの母、マリアを思い出します。
そして、同時に
自分の母のことを思い出すのです。
岩手県に住んでいた母は、
小学6年生で母親を亡くし、
父親は東京へ出稼ぎに出ていました。
残された妹たちと4人で、
幼いながらも苦しい生活を送ってきたと聞いています。
15歳で東京に働きに出て、
父と出会い、
18歳という若さで私を産みました。
今の時代では、
想像するだけで胸が詰まるような出来事です。
逃げ場も、十分な支えもない中で、
それでも命を産み、育てる選択をした。
母が45歳を過ぎた頃、
妹が経営していたスナックで少し手伝い、
お客さんや女の子たちの相談に乗っていました。
手相や顔相を見て、
言葉をかけ、
近所のお店の女の子たちまで集まってきたそうです。
人の心をつかむのが、とても上手だった。
それは技術というより、
生きてきた重みそのものだったのだと思います。
苦労と頑張りを私は見てきました。
今振り返ると、
母はきっと、立派な占い師でした。
名乗らなくても、
看板がなくても、
人は自然と集まってくる。
クリスマスイブにマリアを思い、
そして母を思い出すのは、
「産む前の不安」と
「それでも引き受けた覚悟」を
私は知っているからなのかもしれません。
この流れの中に、
確かに自分もつながっているのだと、
クリスマスイブの夜になると、
静かに胸に浮かんできます。







