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あぐり

インフルエンサーとして成功できますか?

インフルエンサーとして成功するか 二十代男性からのご相談

火雷噬嗑・五爻。
爻辞には「噬乾肉、得黄金。貞厲、无咎」とある。
固く乾いた肉を噛み砕き、その中に隠れた黄金を得る。
この象徴が告げるのは、簡単には飲み込めない現実と向き合う者こそ、最後に黄金を手にするという真理である。

現代のSNS世界は、“やわらかい肉”が並ぶ市場だ。
心地よい言葉、手軽なノウハウ、スキャンダルという刺激。
それらは誰でも噛みやすく、味わいやすい。
だが、深い信頼や長期的成功の源泉にはなりにくい。

火雷噬嗑・五爻は、あえてその反対を指す。
噛みにくいテーマ、扱いづらい現実、避けられがちな話題。
そこに手を伸ばす覚悟のある者に与えられる「君位」の座。
それは、単にフォロワーが増えるという意味ではなく、
人の心に居場所が生まれるということだ。

裁く者”としての宿命

五爻は、高い位置にいながらも陰の性質を帯びる。
不安定さ、危うさ、誤解される可能性すら背負いこむ。
ここには「裁き」というキーワードが潜む。

インフルエンサーの世界で裁くと言えば、
間違いを指摘する、嘘を暴く、倫理観を問う。
だが火雷噬嗑が求める裁きとは、感情の正義ではない

正義中毒という言葉がある。
それは、誰かを断罪することで自分の価値を確かめる生き方だ。
その道の先に黄金はない。
あるのは、砂の城のように崩れていく承認だけだ。

五爻が求めるのは、
公正さと中庸の厳しさ
甘さに流されず、怒りに溺れず、
自分の言葉の刃を、自分にも向けられる人間であること。
「この人が言うなら信じよう」
そう思わせる品質が求められる。

それは、拍手よりも沈黙の信頼を積み重ねる作業だ。

噛む力が未来を拓く

成功を運命論で語るのは簡単だ。
しかし五爻は乱暴な保証をしない。
この爻が与えるのは、道ではなく咀嚼の仕方である。

乾いた肉は現代で言うなら、
・SNS炎上
・倫理観の相違
・一次情報の確認
・誹謗中傷への対応
・自分の過ちの扱い方
こうしたテーマだろう。

飲み込むのではなく、
噛み砕き、自分の言葉に変換する
その力こそが、インフルエンサーの生命線になる。

黄金は、目に見える貨幣ではなく、
人格という通貨として残っていく。
困ったとき、誰かが手を差し伸べる。
言葉が遺る。
名前を伏せても、その人の姿勢は伝播する。
その強度を持つ活動こそ、五爻の成功である。

二十代という“火”

若さには勢いがある。
火は照らすが、燃え広がりもする。
火雷噬嗑の火は、噛む行為を通して熱を光へ変換する象意を持つ。

火の情熱を雷の決断力で制御する。
そのバランスが取れたとき、
インフルエンサーという肩書は“職業”ではなく“在り方”になる。

「この人の言葉に触れると、自分も正しく生きたくなる」
そんな影響力こそが成功なのだと、五爻は告げている。

結語:黄金とは何か

黄金とは、
アクセス数でも、案件単価でも、登録者の桁でもない。
他者の人生に、正しい方向で影響を与えられた証のことだ。

成功とは、
他人に勝つことではなく、
他人を救える自分であること。

二十代のインフルエンサーの問いに、
火雷噬嗑はこう答える。

「成功は可能である。
ただし、自らの牙で自らも傷つく覚悟がある者だけが辿り着く場所だ。」

乾いた肉を噛み砕き、
黄金をその奥歯で確かめよ。
その味を知る人間だけが、
言葉で人を導くことができるのだから。

ここから先のテーマは、その人が何を噛むのかで変わる。
ビジネスか、社会問題か、人間関係か、人生哲学か。
選ぶテーマそのものが、道そのものになる。

噛むべき肉は、すでに目の前にあるのかもしれない。
あとは、牙を正しく使うだけだ。

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