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唯真伊由

向いている仕事だったのに、続けられなかった場所

第2章|人間関係・役割編
第1話

向いている仕事だったのに、続けられなかった場所

結婚相談所の仕事の話をいただいたとき、
私は少し意外な気持ちになりました。

というのも、
その直前まで続けていた保険の仕事が、
嫌いだったわけではなかったからです。

営業の現場も、
お客様と向き合う時間も、
決して苦手ではありません。

ただ、
所長という役割を任されるようになってから、
少しずつ胸の奥に違和感が積もっていきました。

人を見る仕事は好き。
責任を引き受ける覚悟もある。
けれど、
組織全体を背負い続ける立場は、
私には少し重たかったのかもしれません。

そんなタイミングで出会ったのが、
結婚相談所という新しい仕事です。

カウンセラーとして人と向き合い、
人生の選択に寄り添う――。
それは、これまで私が自然に行ってきたことと
重なる部分が多くありました。

迎えられたのは、常務取締役という立場。
カウンセラー業務だけでなく、
役職者としての責任も背負うことになります。
その分、報酬も当初より引き上げると約束され、
仕事内容にも役割にも、納得していました。

「この仕事は私に向いている」
そう確信できる感覚があったのです。

けれど、現実は違いました。

約束されていた給与は、
予定通りに支払われることがありません。
理由は曖昧で説明もなく、
改善の兆しも見えないまま、時間だけが過ぎていきます。

働けば働くほど、
生活が苦しくなるという矛盾した状況。

父を亡くした直後で、
自分の生活を守る責任はすべて自分にありました。
それまで私は、お金のことで追い詰められる経験がなく、
初めて「困窮」という現実と向き合うことになります。

仕事そのものは、合っていました。
確かなやりがいもあった。

それでも、
生活が立ちゆかない場所で立ち続けることはできません。

私は、仕事をやめたのではなく、
その場所を手放したのだと思っています。

それは逃げではなく、
誰かを責める選択でもなく、
ただ、生きるために現実を選んだ結果でした。

この出来事が、
人との関係の結び方や、
役割の引き受け方そのものを
根本から見直すきっかけになる。

その意味を知るのは、
もう少し先のことです。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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