構造を持った人間は、迷い方が変わる(第四章④)
占いに触れはじめた頃の私は、
まだ半分、疑っていた。
本当にこれが使えるのか。
都合のいい解釈をしているだけではないか。
結局は、信じたいものを
信じているだけではないのか。
そんな問いが、
頭の片隅にずっとあった。
けれど、学びを進めるうちに、
ひとつ、はっきりとした変化が起きはじめた。
迷いが消えたわけではない。
ただ、迷い方が変わった。
以前の迷いは、
出口のない円の中を回り続けるものだった。
どちらが正しいのか。
選ばなかった未来を後悔しないか。
この判断は間違っていないか。
問いは増えるばかりで、
どこにも着地しない。
だが、構造を手に入れてからの迷いは違った。
「今は迷う局面なのか」
「この揺れは自分の性質なのか、流れなのか」
「判断を急ぐ必要はあるのか」
問いは、必ず“次の一手”につながっていた。
命式や運気の流れを読むという行為は、
未来を決めることではない。
判断を急がなくていい理由を、
論理として持つことだった。
動くべきでない時期に、
無理に答えを出そうとしなくていい。
流れが切り替わる前に、
焦って結論を出さなくていい。
そう分かるだけで、
心と身体は驚くほど落ち着いた。
ここで私は気づいた。
占いは、
「どうなるか」を教えるものではない。
「どう扱えば、判断を誤りにくいか」を
示すための道具なのだ。
この感覚が腑に落ちた瞬間、
私は完全に立ち位置を変えた。
信じる側ではない。
委ねる側でもない。
使う側だ。
構造は、
信仰ではなく、ツールになる。
地図を見ながら歩く人が、
「この道を信じている」とは言わないように、
私はただ、
地図を使っていただけだった。
そして不思議なことに、
構造を使い始めてから、
現実の手応えが変わっていった。
選択に一貫性が生まれる。
行動の理由を、後から説明できる。
結果が出なくても、納得が残る。
たとえ失敗したとしても、
「なぜそうなったか」が分かる。
これは、心にとって非常に大きかった。
人は、結果よりも
意味の分からない状態に一番消耗する。
構造は、
その消耗を最小限に抑えてくれる。
私はこのとき、
ようやく理解した。
これまで自分が苦しんできたのは、
選択そのものではなく、
「選び方に再現性がなかった――
つまり、うまくいっても失敗しても、
次に同じ場面が来たときの指針が何も残らなかった」
からなのだと。
構造を持つと、
人生は楽になるわけではない。
けれど、
同じ迷い方を繰り返さなくなる。
それだけで、
世界は十分に静かになる。
答えがない人生を、
答えを出せる形に整える。
その第一歩が、
私にとっては占いだった。
そしてこの感覚は、
やがて次の問いへと私を導いていく。
――
では、この構造を
他者の人生に使うとは、どういうことなのか。
ここから先で、
私はさらに深い場所へ足を踏み入れることになる。
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