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芽百マミム

第15章 初めての、その一歩

占い館という場所に、

私が初めて足を踏み入れた日のことは

今でもちゃんと覚えている。

数秘術やタロット、紫微斗数。

いろんな占いに触れながら、

「自分ってこういう人なんだ」

そんなふうに、自分を知るために占いと向き合っていた。

仕事にするなんて、

正直まだ現実味はなかった。

三女は保育園に入れず、

外で働くこともできなかった。

生活費は必要で、

ポスティングや内職をしながらの毎日。

それでも、

全部、占いに使っていた

YouTube、講座、アーカイブ

子供の世話や家事や作業しながら

先生の話す声をとにかく聴いてた。

余裕はなかった。

でも頭の中はずっと、

「どうしたら早くデビューできるか」

そればっかりだった。

プロの占い館に行ったこともなければ、

目の前で鑑定を受けたこともなかった。

プロの占いを生で感じる事

自分がやる側になる場合どうするのか

色んな想像しながら

メロウさんの鑑定や先生の鑑定を受けに行き

原宿店に初めて行ったとき

「あ、ここかも」

理由はないけど、そんな感覚があった。

空気はとても神秘的な世界…

特別な演出があるわけでもない

でも、

ちゃんと覚悟を持った人たちの場所だった。

最初のデビューは、チャット占い

文章だけで人と向き合う世界

不安はあったけど、

なぜか「できる気がしない」とは思わなかった。

そして、

保育園が決まったタイミングで、

対面鑑定のお話もいただいた。

流れは驚くほど自然だった。

無理に動かしたわけじゃないのに、

ちゃんと道が続いていた。

産休が終わり今までの仕事をしながら

占い師の2足のわらじでスタートした。

占い師になる、というより、

占い師として生きる方向に、

静かに足が向いていった。

そうやって私は、

占い師としての人生を、

思っていたよりずっと自然に、

始めていった。

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