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唯真伊由

現実と手を結ぶ、という選択

第2章|人間関係・役割編
第4話    現実と手を結ぶ、という選択

婚活講師としての開業は、私にとって挑戦でした。
やりたいことだったし、過去の経験すべてが活きる仕事でした。
エステで培った「外側を整える力」
保険で学んだ「言葉にする大切さ」
人を見つめてきた時間すべてが、婚活中の女性の力になる。

それは確かに嬉しかったし、手応えもありました。
会員さんを紹介してくれる仲人さんもいて、
「あなたを応援しているよ」と言葉をかけてもらえるたびに、
自分の存在が肯定される気がしていました。

けれど、現実はいつも優しいとは限りません。
毎月の収支はぎりぎりで、
気持ちが満たされても、生活に余白は生まれない。
働き方としては正解なのに、
生き方としてはどこか足りない。
その違和感が、静かに胸に積もり始めていました。

そんなある日、一本の電話が入りました。
昔の保険会社で一緒だった同僚からでした。
お互いに切磋琢磨してきた、良き理解者のような存在。
離れていても、どこかで影響し合ってきたような関係。

「久しぶり。もし良かったら一緒に仕事しない?」
そう誘われた瞬間、胸の奥がふっと軽くなったのを覚えています。

彼は私の現状を知りませんでした。
困窮していることも、
婚活講師として何とか踏ん張っていることも。
それなのに、ちょうどそのタイミングで声がかかった。
説明できないめぐり合わせを感じました。

思えば、この少し前にも、
一度しかお会いしたことのない先輩仲人さんが
住むところを探していた私に、
信じて鍵を渡してくれたのでした。

気がつけば、私はずっと
人に救われながら生きていました。
自分で握った手、というより
差し出された手を、ようやく受け取れるようになったのだと思います。
利用でも依存でもなく、
「今は頼っていい」と自分に許す感覚。

その電話をきっかけに、私は保険代理店の仕事を始めました。
婚活講師と並行して、現実と結び直す選択。
やりたいことだけでは生きられない。
けれど、出来ることだけでは心が死んでしまう。

その中間でようやく、私は立ち方を探し始めました。
自力と他力のあいだで揺れながら。
強さと弱さのどちらも、手放さないまま。

人生が、再び動き始めたような気がしていました

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