タロットが紡いだ、夫婦の物語 〜涙の向こうにあった、変わらぬ愛
80代後半の御婦人がご予約くださり、1時間のタロット鑑定を受けてくださいました。
はじめは、日々の不安や心配事についてのご相談でした。
カードを通して今のお気持ちを映し出し、これから心を楽にして毎日を過ごすための「心のあり方」をお伝えさせていただきました。
お話をうかがっているうちに、その方の人生の中心には、亡きご主人の存在が今もなお深く息づいていることを感じました。
言葉にはされなくても、「もう一度、あの頃を思い出したい」「主人の想いに触れたい」
そんなお気持ちが、静かに胸の奥から伝わってくるようでした。
そこで私は、カードに問いかけました。
お二人の出会い、共に歩まれた日々、そしてご主人が旅立たれた後も変わらず続く、深い絆。
するとタロットは、不思議なほど物語のように情景を映し出してくれました。
若き日の出会いの喜び、共に笑い、時にすれ違いながらも寄り添ってこられた年月。
そして今、ご主人が御婦人へ伝えたい想い。
カードを通してお伝えした言葉に、御婦人はしばらく静かに耳を傾けておられました。
やがて「主人が、昔よく言ってくれていた言葉と同じです」と、懐かしそうに微笑まれ、
遠い記憶がよみがえったかのように、綺麗な涙をたくさん流してくださいました。
その涙は悲しみだけではなく、愛おしさや感謝、そして「今も一人ではない」という安心感の涙のように見えました。
タロット鑑定は、お悩みや心配事の答えを探すためだけのものではありません。
時には、人生をそっと振り返るための一冊の本のように、
心の奥にしまっていた想い出や感情を、優しく浮かび上がらせてくれることもあります。
言葉にできなかった想いに光を当て、今を生きる心を少し軽くしてくれる。
そんな時間を共に過ごせたことに、鑑定士として深い感謝を感じた一日でした。
タロットは未来を当てる道具ではなく、
「今の心」に寄り添い、「これからをどう生きたいか」に気づくための鏡。
これからも私は、カードを通して、その方の人生にそっと寄り添える鑑定をお届けしていきたいと思います。







