あぐり
「行きたくないのに断れない――その罪悪感はどこから来る?」
「本当は、あまり行きたくないんです。
でも、行かないと罪悪感が出てしまって……」
そんなご相談がありました。
誘われているのは、ある集まり。
特別に嫌な人がいるわけではない。
大きなトラブルがあるわけでもない。
けれど、なぜか気が進まない。
予定が近づくほど、
「できれば行きたくないな」
という気持ちが強くなっているそうです。
ただその一方で、
「せっかく誘ってもらったのに」
「断ったら感じが悪いのでは」
「付き合いも大切にした方がいいですよね」
という思いもあり、
行かないと決めることができない。
そこでまず、
「この会には、参加した方がいいのでしょうか?」
とタロットに尋ねてみました。
出たカードは、
カップの10・逆位置。
そしてもう一つ。
「どうして私は、行かないことに罪悪感を感じるのでしょうか?」
という問いに出たのが、
ワンドのキング・正位置
でした。
カップの10逆位置――その場所は、本当にあなたの居場所ですか?
カップの10の正位置は、
家族、仲間、共同体、調和、安心できる場所。
いわば、
「みんなで幸せ」
を表すカードです。
けれど今回は逆位置。
この場合、
「みんなと一緒にいること」が、
必ずしも本人にとって心地よい状態ではない、
と読むことがあります。
ご相談者のお話を聞いていると、
その会に参加したい気持ちよりも、
「参加しなければならない」
という気持ちの方が強いようでした。
カップの10逆位置は、
そんなとき、
「その輪の中にいることが、本当にあなたの幸せですか?」
と問いかけます。
人間関係というものは、
人数が多ければよいわけではありません。
所属していれば安心できるとも限りません。
一緒にいても、
ずっと気を遣っている。
帰宅するとどっと疲れる。
なぜか自分らしく振る舞えない。
そうであれば、
そこは今の自分にとって、
少し距離が必要な場所なのかもしれません。
今回のカードからは、
無理をしてまで参加しなくてもよいのではないか
と読みました。
では、なぜ「行かない」と罪悪感が出るのか
そこで出てきたのが、
ワンドのキングです。
ワンドのキングは、
責任感が強く、
自分の役割をきちんと果たし、
周囲から信頼される人物を表します。
今回、このカードを見たとき、
ご相談者の中にある、
「私は、ちゃんとした人でありたい」
という気持ちが強いのではないかと思いました。
誘われたら顔を出す。
人との付き合いを大切にする。
頼まれたら応える。
自分の都合ばかりを優先しない。
それ自体は、
とても立派な価値観です。
けれど、
責任感の強い方ほど、
ときどき、
「断ること」と「無責任であること」
を同じものにしてしまいます。
今回も、
「参加しない」
という単純な選択が、
心の中では、
「私は人付き合いを大切にしていない」
「私は義理を欠いている」
「私はちゃんとした人ではない」
という自己評価にまで広がっていたように感じました。
だから、
行きたくないのに断れない。
断ると罪悪感が出る。
そんな状態になっていたのではないでしょうか。
責任感とは、すべてに応えることではない
ここで私は、
ワンドのキングには、
もう一つ大切な意味があるとお伝えしました。
それは、
「自分で決める」
ということです。
ワンドのキングは、
周囲に流されて動く人ではありません。
誰と関わるのか。
何に時間を使うのか。
どんな場所に身を置くのか。
それを自分で選びます。
本当の責任感とは、
すべての誘いに応えることではありません。
すべての期待に応えることでもありません。
むしろ、
自分が選んだことに責任を持つこと。
それが、
成熟したワンドのキングの姿です。
ですから私は、
「今回は行かない、と決めてもいいと思いますよ」
とお伝えしました。
ただし、
行かないと決めたあと、
罪悪感が出てくるかもしれません。
でも、
その罪悪感を、
「やっぱり行くべきだった」
というサインだと思わなくてもよいのです。
罪悪感は、間違っている証拠ではない
今までずっと、
「人の期待には応えるもの」
「誘われたら参加するもの」
「断るのは申し訳ないこと」
と思って生きてきた人が、
ある日突然、
「今回はやめておこう」
と選べば、
心の中には違和感が出ます。
それは、
選択を間違えたからではありません。
今までとは違う選択をしたからです。
古い自分のルールと、
今の自分の気持ちが、
まだ少し噛み合っていないだけなのかもしれません。
今回の鑑定で見えてきたこと
今回、
カップの10逆位置と、
ワンドのキング。
この二枚を合わせて読むと、
とてもはっきりとしたメッセージになりました。
みんなと同じ場所にいなくてもいい。
そして、
自分の時間をどこに使うかは、自分で決めていい。
「どこに所属しているか」よりも、
「どこなら自然体でいられるか」。
こちらの方が、
ずっと大切なことがあります。
参加して楽しい場所。
帰るときに少し元気になっている場所。
言葉を選びすぎなくてもいい場所。
沈黙していても安心できる場所。
そういう場所こそ、
その人にとっての本当の
カップの10
なのかもしれません。
もし今、
「本当は行きたくない。
でも断るのは悪い気がする」
と感じているなら、
一度、自分に聞いてみてください。
私は本当に行きたいのか。
それとも、
「ちゃんとした人でありたい」から行こうとしているのか。
この二つは、
似ているようで、
まったく違います。
行くことを選ぶ日があってもいい。
行かないことを選ぶ日があってもいい。
大切なのは、
罪悪感に決めてもらうのではなく、
自分で選ぶこと。
今回の二枚は、
そんなことを教えてくれたように思います。
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