星 叶夢
星 叶夢(ほし かなむ)
ほしよみ堂大阪梅田店所属
私は、どうしたらええの?⑩ ~娘よ、お前もか(前)~
夫と私では、お金に対する価値観がまるで違いました。
でも、夫の「こだわり」は、自分の買い物だけに向いていたわけではありません。
娘が小学3年生になった頃。
学校から一枚のチラシをもらってきました。
吹奏楽の案内です。
実は、ダンス部の案内もありました。
でも、
「ダンスをやりたい!」
と言っても、夫には相手にされないだろうな。
そう思った私は、そちらは廃棄(笑)
吹奏楽なら音楽です。
夫はロックが大好きですが、音楽そのものが好き
娘を妊娠していた頃には、胎教にいいからとクラシックも聴いていました。
子どもの頃、学校で半ば強制的に聴かされていたクラシック。
その頃は何とも思わなかったのに、自分から聴いてみると、
「クラシックって、こんなに良いものだったんだ。」
私も一緒に楽しんでいました。
だから、吹奏楽の案内を見せれば、夫が食いつくことは想像通り。
娘もやる気満々です。
練習は日曜日と祭日
ちゃんと指導してくださる先生もいました。
朝早くから、夫と娘は二人で出かけます。
レッスンをそばで見て、聞いて、家に帰ってから復習。
日曜も祭日も練習に行く二人
私は息子たちと、お留守番です。
そうそう。
この頃には私は、病気を発症したあとに二人の子どもを産んで、三児の母になっていました。
吹奏楽には、休まずレッスンに通うと、年に一度、発表会で皆勤賞の発表がありました。
夫と娘が狙っていたのは、
8年連続皆勤賞。
娘もその気になって、頑張っていました。
娘が演奏していたのは、コルネット
身体は小さかったのですが、なかなかの肺活量。
絶対音感も持っていたように思います。
才能もあると言われ、
目指すは、東京音大。
そうなれば当然、夫はますます張り切ります。
練習がない時には、プロの先生の個人レッスンへ。
レッスンは大阪府内だったので、まだ良かった(笑)
先生からは、
「技術よりも、まずは基礎をしっかりと。」
夫も素直に、その指導に従いました。
夫は、本当にクセ強です。
自分が気に入らない相手には、噛みつきます。
ところが、娘を指導してくださった先生方とは揉めることもなく、
会社の上司にもしたことがないのに、お中元やお歳暮まで贈っていました(笑)
娘は短期ですが、海外にも行きました。
もちろん、お金はかかります。
当然、ローンです(笑)
それでも夫と娘は、同じ目標に向かっていました。
もっと上手になりたい娘。
それを全力で応援する夫。
そして二人が狙っていた、8年連続の皆勤賞
夫は、娘の吹奏楽に本気でした。
娘も頑張っていました。
ただ――
その「本気」が、
娘には少し違う形で伝わっていたことを、
この時の私たちは知りませんでした。
娘よ、お前もか。
続きは、明日。
ほしよみ堂大阪梅田店 星 叶夢






