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あぐり

急に態度を変える上司と、どう向き合うか

――山風蠱・三爻が示す「距離のとり方」

長いあいだ無視され、仕事が滞っていても見て見ぬふりをされてきた。
助けも、声掛けもなかった。
それなのに、ある日を境に、急になれなれしく話しかけてくる――。

このような態度の変化に、戸惑いや不信感を覚えるのは、ごく自然なことだろう。
「なぜ今さら?」
「何か裏があるのではないか」
そう感じる直感は、決して的外れではない。

この状況を易で読み解くと、山風蠱(さんぷうこ)・三爻が浮かび上がる。

蠱とは「腐敗」「澱み」「長く放置された歪み」を意味する卦である。
ここで重要なのは、これは個人の好き嫌いの問題ではなく、構造の病だという点だ。

三爻の爻辞はこう記されている。
「幹父之蠱。小有悔、無大咎。」
――父の残した弊害を正す。小さな悔いは生じるが、大きな咎はない。

この爻が示すのは、
自分が作ったわけではない問題を、なぜか自分の代で引き受ける立場に置かれるという状況である。

つまり、上司の態度が変わった理由は、
あなたの価値が急に理解されたからでも、反省したからでもない。
組織の中で「滞っていたものを動かさなければならない段階」に入り、
その歪みが、あなたの位置で表面化しただけなのだ。

だからこそ、心に「小さな悔い」が生じる。
「なぜ私が尻拭いを?」
この違和感こそ、三爻が示す正直な感覚である。

では、どう振る舞えばよいのか。

三爻は、関係を断てとも、情に流されよとも言っていない。
示しているのは、役割として整えよ。感情で動くなという姿勢だ。

急に距離を詰めてくる相手に、こちらの心まで開く必要はない。
しかし、露骨に拒めば、それは「過度に急ぐ改革」となり、後悔を招きやすい。

ここで求められるのは、徳による境界線である。

具体的な対策として

・会話は業務内容に限定する
・私的な雑談には、丁寧だが短く応じる
・指示や相談は、必ずメールや文書など記録に残る形にする
・期待しない。失望もしない。判断は内側で完結させる
・「助けてくれる上司像」を新たに投影しない

これは冷淡さではない。
自分の領域を守り、流れを整えるための、静かな態度である。

三爻が戒めているのは、「正しさで相手を裁くこと」だ。
相手を変えようとしない。
関係を修復しようと躍起にならない。

ただ、あなたの位置で、腐敗した流れを止め、整える。
それで十分なのである。

最後に。
蠱の卦は、「治した者が、そこに留まり続ける」卦ではない。
整えるべきところを整えたあとには、自然と次の場所が見えてくる。

今は、静かに、淡々と。
感情ではなく構造を見ること。
それが、小有悔、無大咎の生き方であり、
あなた自身を守る、最も賢明な距離のとり方なのだ。

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