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あぐり

「微妙な嫌がらせに心を乱されないために ― 火雷噬嗑三爻の智慧」

「微妙な意地悪をする上司がいます。

特にひどいパワハラということはなくて、予定した時間に帰ることを申し出た日に限って残業をさりげなく降ってくる、必要書類の提出日を知らせなかったりする、作為的にしているかどうか微妙なラインの嫌がらせを受けています。

友人に相談したら、微妙な嫌がらせだと思うと言ってくれました。どうしたらいいでしょうか?」

易を立てたところ、火雷噬嗑(からいぜいごう)三爻

火雷噬嗑(か らい ぜいごう)
「噬」は噛むこと、「嗑」は噛み合わせること。

つまり――
噛み砕いて障害を取り除く卦”です。

歯の間に固いものが挟まったとき、人はそれを噛み砕くか、取り除くまで落ち着きません。
噬嗑はまさにその状態を表します。

社会の中で言えば、
曖昧な不正・小さな妨害・筋の通らないこと
「見過ごさず、整理して正す」必要がある場面です。

そして今回出たのは――

三爻。

ここが実に興味深いところです。

火雷噬嗑 三爻の象

三爻の爻辞はこうです。

噬腊肉(せきろうにく)
毒に遇う
小吝(しょうりん)
咎なし

意味を平たく言うとこうなります。

「干し肉を噛んだら毒があった。少し困るが、大きな災いではない。」

古代中国の比喩はなかなか容赦がありません。
しかし象意はとても現実的です。

この爻は、

悪意が露骨ではなく、微妙な形で混ざっている状況

を示します。

たとえば今回のように

  • 露骨なパワハラではない
  • しかし明らかに不自然
  • しかも証拠にしにくい

まさに
「肉の中に毒が混ざっている」状態です。

噬嗑三爻はこう言っています。

これは不愉快ではあるが、致命的ではない。

ただし――

そのまま飲み込むな。

という意味でもあります。

この卦が示す状況

噬嗑三爻の典型は次のような人間関係です。

・小さな意地悪
・言い逃れできる嫌がらせ
・証拠に残らない操作

つまり

「ギリギリ問題にならないラインの攻撃」

です。

易はときどき驚くほど具体的です。
今回の相談内容は、まさにこの象です。

噬嗑三爻の処し方

この爻が教えるのは、
感情で戦うなということです。

火雷噬嗑は

「法・規則・筋を通す卦」

です。

だから対処は非常に理性的になります。

① 記録を取る

日付
内容
証拠

噬嗑は

証拠主義の卦

です。

噛み砕くとは
「事実を明確にすること」。

② 事務的に返す

例えば

「その書類、提出期限を教えていただけますか」
「今日〇時までに帰る予定ですが、対応必要でしょうか」

淡々と確認する。

怒らないことが重要です。

怒ると相手の土俵になります。

③ 小さな防御を整える

噬嗑三爻は

軽い毒

です。

つまり

耐えられない状況ではない。

だから

・距離を取る
・ルールを使う
・証拠を残す

この三つで
ほぼ防げる場合が多いです。

易が示す深い意味

ここで少し哲学的な話をしましょう。

易経は、人間社会をとても冷静に見ています。

世の中の多くの悪は

大きな悪ではなく

小さな意地悪

です。

露骨な悪人は少ない。
しかし

・ずるさ
・ねちっこさ
・責任逃れ

こういうものは
どこにでもあります。

噬嗑の智慧はこう言います。

正義を振りかざす必要はない。
ただ、筋を通せ。

火(明知)と雷(行動)が合わさる卦です。

つまり

冷静に見て、静かに動く。

最後に

今回の卦は決して悪くありません。

なぜなら三爻は

「小吝 咎なし」

だからです。

少し不愉快なことはある。
しかし

大きな災いにはならない。

むしろこの卦は
人間観察の卦です。

「ああ、この人はこういうやり方で人をコントロールするのだな」

そう見抜いたとき、
相手の力は半分消えます。

易の面白いところはここです。

人を変えるのではなく
見方を変える。

すると
盤面が変わる。

そして噬嗑の次に来る卦は

山火賁(かざり)

社会の中で
品格をもって振る舞う段階に進むのです。

静かな強さを持った人は、
こういう小さな毒に飲み込まれません。

噬嗑三爻は、
まさにその訓練のような局面です。

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