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曽我部 キキョウ

言霊と漢字 ~ 日本人が文字に魂を見てしまう理由 第3章

===目次===

序章

第1章 言霊とは何だったのか

第2章 そこに漢字がやってきた

第3章 漢字はもともと神聖な文字だった

第4章 日本人は漢字に「新しい魂」を与えた

第5章 名前に漢字を選ぶ文化

終わりに

 

 

第3章 漢字はもともと神聖な文字だった

 

漢字、と日本人がこの文字を呼ぶのは

中国のかつての大国、「漢民族」が

国字として使っていたことに拠ります。

 

しかし、実際に誕生したのは

漢王朝よりもはるか昔、

殷(商)王朝でのことです。

 

そこで生まれた「甲骨文字」は

神にお伺いを立て、

その答えを刻み、

残すための文字でした。

 

つまり、神と人をつなぐための

神聖な記録として、

始まったのです。

 

この研究をしたのが、

日本の漢字研究者であり、東洋学者の

白川静氏(1910年4月9日~2006年10月30日)です。

 

彼は、多くの漢字は、

政治や日常よりも、

祭祀や儀礼から生まれたと考えました。

 

例えば、「祝」という字を見てみましょう。

 

左側の「示」という部分は、

神に供え物をする祭壇を示しています。

そして右側が、

祝詞を唱える人の姿。

 

つまり「祝」という字は、

神前で祈りを捧げる行為そのものを

表した文字と考えられています。

 

文字はただの言葉を伝える記号では

なかったということです。

 

祈り、占い、儀礼。

神の意志を問い、

その答えを刻み残すためのもの。

 

日本人が漢字に特別な

魂を感じるのも、

頷けるというものです。

 

漢字は、その成り立ちから

既に神の世界と結びついていたのですから。

 

そこから時代が下り、

中国では官僚制度の確立などが

文字を「記号」に変化させていきます。

 

ところが日本では

違った動きがありました。

 

どのような動きか、

次回、追ってみましょう。

 

 

===つづく===

 

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