プトレマイオス靖子
待つ恋を整える占い師
上を向いて帰った彼女
忘れられない鑑定がありました。
昨日、北千住店に
20代の女性が来ました。
恋の相談でした。
話し始めてすぐに
涙が止まらなくなりました。
「彼のこと、忘れられないんです」
泣きながら、そう言っていました。
でも彼女が本当に苦しかったのは
恋だけではなかったようです。
「もう、人と関わるのが嫌になってしまって…」
最近は
ほとんど外にも出ず、
引きこもるような生活だったそうです。
それでも彼女は、ぽつりと言いました。
「でも、このままじゃいけない気がして」
その言葉を聞いたとき
私は少しほっとしました。
人は本当に動く気がないとき
未来の言葉が出てこなくなるからです。
鑑定は一時間ほど。
泣いたり、話したり、
少し笑ったり。
話の途中で、私はこう言いました。
「引きこもっていたら
きっとあなたは輝けない。
だから、少しだけでも
外に出てみて。」
帰り際に私は言いました。
「動けるようになったら
また報告に来てくださいね」
彼女は小さく
「はい」
と答えました。
帰るとき
何度も振り返りながら
手を振ってくれました。
そして
来たときより少しだけ
上を向いて帰っていきました。
占い師は
誰かの人生を変えることはできません。
でも
人がもう一度
人と関わろうとする瞬間に
立ち会えることがあります。
そんな静かな一日でした。
あの子が、また外に出られますように。







