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あぐり

「オーラがすごいですね」と先輩に評価を下す新入社員にムカつきました…。

職場という場所は、
仕事だけで成り立っているように見えて、実のところ
言葉の文化によって支えられています。

どんな言葉を使うか。
誰に、どのように語りかけるか。
その微妙な違いが、人間関係の空気をつくります。

ある方から、こんなご相談を受けました。

新入社員が先輩に向かって
「オーラがすごいですね」
と言ったのだそうです。

悪気があるのかないのか、
冗談なのか、本気なのかもよく分からない。

けれど、その言葉を聞いた瞬間、
胸の奥に小さな違和感が生まれた。

先輩に対して
「評価するような言葉」を口にする。

その無邪気さに、
どうしても納得がいかなかったそうです。

注意してみたものの、
どうも理解されている様子がない。

むしろ
こちらが神経質なのかとさえ感じてしまう。

どう受け止めればよいのか。

そこで易を立てたところ、
現れた卦は 坎為水(かんいすい)四爻でした。

坎とは、水。
しかもただの水ではありません。

谷底に落ち込み、また落ち込み、
幾重にも重なる 深い水の象徴です。

人生の中で出会う
小さな危機や人間関係の難しさ。

坎の卦は、そうした
心の揺れを伴う出来事を示すことが多いのです。

四爻の言葉は少し不思議な表現です。

「樽酒、簋貳、缶を用いて
窓より納る。終に咎なし。」

豪華な贈り物ではなく、
質素な器に入れた酒を
窓からそっと差し入れる

これは何を意味するのでしょうか。

それは
正面から相手を変えようとしないことです。

人にはそれぞれ、
言葉の文化の段階があります。

言葉には
礼儀の言葉、
配慮の言葉、
評価の言葉、
そして文化の言葉がある。

「オーラがすごいですね」という言葉は
本来、評価の言葉です。

評価とは、
多くの場合、上の立場の人が下へ向けて使うもの。

そのため
先輩に向かって使えば
どこか無意識に「対等か上から」の響きになる。

しかし、その新入社員は
そこまで考えていないのでしょう。

これは悪意というより、
文化の違いなのかもしれません。

坎為水四爻は
こういうときの姿勢を静かに教えます。

相手を説得しようとして
水の底へ踏み込まないこと。

深い水は、
入れば入るほど足を取られます。

むしろ
礼節は保ちながら
少し距離を置く。

必要なことは伝える。
しかし感情は絡めない。

それが
「窓より納る」という態度です。

正面から争うのではなく、
窓から静かに差し入れるように
最小限の誠意だけを置く。

それでよい、と易は言っています。

坎為水は試練の卦ですが、
同時に 人の器を測る卦でもあります。

浅い水では、人は泳ぎを学びません。
深い水だからこそ、
自分の心の姿勢が試されるのです。

礼を知らぬ言葉に出会ったとき、
その水に巻き込まれる必要はありません。

水は流れます。
やがて低いところへ去ってゆきます。

大切なのは
その流れの中で
自分の品位を濁らせないこと

深い水を渡る人は、
静かに、しかし確かな足取りで進みます。

坎為水四爻は
そんな歩き方を、そっと教えてくれるのです。

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