怪談で怖いのは、何かが見えることより「違和感を無視すること」
怪談では、最初から幽霊が目の前に現れるとは限りません。
誰もいない二階から、足音がする。
閉めたはずの扉が、少しだけ開いている。
部屋に入ると、なぜか空気が冷たい。
その時点では、まだ説明がつきそうです。
家が古いから。
風が強かったから。
疲れているから、そう感じただけ。
ところが主人公が「気のせいだ」と眠ったあと、足音は少しずつ近づいてくる。
怪談で本当に怖いのは、何かが見えた瞬間より、最初の小さな違和感を無視した瞬間なのかもしれません。
怪談は「少し変だ」から始まります
怪異は、日常の中にある小さなずれとして現れます。
いつもの廊下なのに、今日は妙に長く感じる。
時計を見るたび、同じ時刻を指している。
鏡の中だけ、誰かの動きが少し遅い。
はっきりと怖いものが見えたなら、逃げることができます。
まだ正体が分からないからこそ、「考えすぎだろう」と自分を納得させて、その場に残ってしまうのです。
人間関係にも、これと似たことがあります。
優しい言葉をかけられているのに、安心できない。
笑顔で話しているのに、なぜか責められているように感じる。
約束はしてくれるのに、いつまでも関係が前へ進まない。
一つひとつを見れば、大きな問題ではないように思えます。
それでも、何かがおかしい。
その感覚には、まだ言葉になっていない理由があるのかもしれません。
違和感を無視したくなる理由があります
違和感を認めたら、今まで信じてきたものが崩れるかもしれません。
好きな人を疑いたくない。
自分の勘違いで関係を壊したくない。
嫌われたり、一人になったりするのが怖い。
だから私たちは、「大丈夫な理由」を探します。
彼は忙しいだけ。
悪気はない。
私が気にしすぎている。
もちろん、本当に気にしすぎている場合もあります。
以前に傷ついた経験があると、今は安全なのに心や身体が警戒することもあるからです。
反対に、相手の言葉と行動のずれを、無意識が先に拾っている場合もあります。
違和感があるから相手が悪いとも、過去の経験があるから自分の思い込みだとも、最初から決めることはできません。
占いは、違和感の向こう側を見るものです
占いに来る理由は、まだはっきりしていなくても構いません。
「うまく説明できないけれど、何かが気になる」
それも十分な相談です。
相手は何を考えているのか。
言葉にしていない事情はあるのか。
今後、関係はどのように動くのか。
感じている違和感に、現実の理由はあるのか。
占いでは、自分の視点だけでは見えないところを確かめていきます。
何も問題がないと分かれば、安心して相手と向き合えるでしょう。
もし見過ごさないほうがよい変化があるなら、大きな問題になる前に動くこともできます。
怪談なら、振り返ったときにはもう遅いのかもしれません。
でも、人間関係は怪談ではありません。
違和感に気づいたところから、確かめ、選び直すことができます。
「気のせい」と飲み込む前に、その小さなずれが何を知らせているのか、一緒に見てみましょう。
兵主部久談(ひょうすべ・くだん)
ほしよみ堂所属、ほしよみ堂町田店に出演。
陰陽師カード、数秘術、ダウンジングなどを使い、相手の気持ちや未来、関係の流れを鑑定しています。
怪談や妖怪の世界を好み、目に見える出来事だけでなく、その奥にある小さなずれや人の心の動きを考えることを大切にしています。
出演日:火・水・木(18時まで)・金・土






