与えることはできるのに、受け取ることが苦手なあなたへ
「人に何かをしてあげるのは好きなんです。」
「困っている人がいたら、放っておけない。」
「年下や後輩と食事に行ったら、つい自分が払ってしまう。」
「仕事でも、これくらいでお金をいただくのは申し訳ないと思ってしまう。」
そんな方がいます。
人には惜しみなく与えられるのに、
自分が何かをしてもらうとなると、途端に遠慮してしまう。
褒められても、
「いやいや、そんなことないです」
と否定してしまう。
誰かがご馳走してくれようとしても、
「大丈夫です。自分で払います」
と言ってしまう。
仕事で「これくらいの金額をいただきたい」と思っても、
「高いと思われたらどうしよう」
と、つい安く設定してしまう。
でも、少し考えてみてください。
あなたは、本当に「受け取りたくない」のでしょうか?
もしかすると、
「受け取ることに慣れていない」
だけなのかもしれません。
与えることは、愛情表現になっている
人に何かをしてあげる。
ご飯をご馳走する。
相談に乗る。
相手が喜ぶことを考える。
仕事で相手の期待以上のことをする。
そうやって「与えること」で、人とのつながりを感じてきた人は少なくありません。
「私がしてあげればいい」
「相手が喜んでくれるなら、それでいい」
そう思えるのは、とても優しいことです。
でも、その優しさがいつの間にか、
「自分は与える側でいなければいけない」
という思い込みになってしまうことがあります。
「受け取ったら、何か返さなければ」と思っていませんか?
誰かに親切にされると、
「何かお返しをしなくちゃ」
と思う。
ご馳走してもらうと、
「次は私が払わなくちゃ」
と思う。
仕事を褒めてもらうと、
「そんな大したことではありません」
と謙遜する。
プレゼントをもらうと、
「申し訳ない」
という気持ちになる。
でも、本来は、
「ありがとう」だけでもいいのです。
相手は、あなたに何かをしてあげたいと思って、それをしてくれたのかもしれません。
その気持ちまで、あなたが「申し訳ない」という言葉で返してしまわなくてもいいのです。
自分のサービスを安くしてしまう人へ
これは仕事にも表れます。
「こんな金額をいただいていいのかな」
「もっと安くしたほうが親切かな」
「お客様に申し訳ない」
そうやって、自分の時間や経験、技術を安く見積もってしまう。
でも、あなたが提供しているものには、
そこに至るまでに費やした時間があります。
経験があります。
勉強してきたことがあります。
失敗してきたこともあります。
そして、目の前の人のために使う時間があります。
それらすべてを含めて、サービスの価値です。
安くすることだけが、優しさではありません。
適正な対価を受け取ることも、仕事を続けていくためには必要なことです。
「年下だから」「後輩だから」と、いつも自分が払わなくてもいい
年下や後輩と食事をすると、
「自分のほうが年上だから」
「相手はまだ若いから」
と、つい全部払ってしまう人もいます。
もちろん、ご馳走したいという気持ちがあるなら、それは素敵なことです。
でも、
「払わなければいけない」
と思っているなら、少し違います。
今日は相手にご馳走してもらう。
次は自分がご馳走する。
割り勘にする。
その時々で違ってもいいのです。
人間関係は、いつも同じ量を与え合わなければ成立しないものではありません。
受け取ることも、相手に「与える」こと
ここは、ぜひ覚えておいてほしいことです。
誰かがあなたに何かをしてくれたとき、
あなたが素直に受け取って、
「ありがとう」
と笑ってくれたら。
相手は嬉しいかもしれません。
つまり
受け取ることも、ひとつの贈り物なのです。
相手の「してあげたい」という気持ちを受け入れること。
相手の好意を拒否しないこと。
それも、人との間にある愛情や優しさを循環させることにつながります。
まずは「ありがとう」だけ言ってみる
いきなり大きく変える必要はありません。
誰かに褒められたら、
「そんなことないですよ」
ではなく、
「ありがとうございます」
と言ってみる。
ご馳走すると言われたら、
「悪いからいいです」
ではなく、
「じゃあ、今日はお言葉に甘えます。ありがとうございます」
と言ってみる。
仕事の料金を決めるときも、
「このくらいでいいかな」
ではなく、
「自分が提供しているものに、どれくらいの価値があるだろう」
と考えてみる。
最初は、なんだか落ち着かないかもしれません。
「こんなに受け取っていいのかな」
と感じるかもしれません。
でも、その違和感は、
受け取ってはいけない証拠ではなく、受け取ることに慣れていないだけかもしれません。
与える人ほど、受け取っていい
いつも人のことを考えている人。
人を喜ばせることが好きな人。
困っている人を放っておけない人。
そんな人ほど、
「自分のことは後回しでいい」
と思ってしまうことがあります。
でも、あなた自身も誰かに大切にされていい。
助けてもらっていい。
ご馳走してもらっていい。
褒めてもらっていい。
適正な金額を受け取っていい。
愛情を受け取っていい。
そして、
「ありがとう」だけで終わってもいい。
いつも与える側にいる必要はありません。
与えることと、受け取ること。
その両方があって、初めて人との関係は循環していくのかもしれません。
もし今
「私はどうして、こんなに人には与えられるのに、自分は受け取れないんだろう」
と思っているのなら。
まずは小さなことから。
誰かの優しさを受け取ったとき、
「申し訳ない」ではなく、
「ありがとう」
と言ってみてください。
あなたが受け取ることで、誰かの「あなたに何かしてあげたい」という気持ちも、ちゃんと届くのです。









