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忍野叶眞

占い師が占術にこだわるのって、ちょっと頓珍漢じゃないか?

最近、立て続けに
「この占術ってどうなんですか?」
「あの占術について、どう考えますか?」
ということを聞かれました。
占い師同士で
こういう話をすること自体は
珍しいことではありません。

でも、正直に言うと
私はこういう質問をされると
少し考え込んでしまいます。
「そもそも、お客様のことを占いを使ってどう見たいんだろう?」
そこが先じゃないのかな、と。
正直、こういう質問をされると
少し苦手意識を持ってしまいます。

例えば、
「四柱推命は難しいから無理」
「覚えることが多すぎる」
「タロットは78枚覚えるのが大変」
「この占術は自分には向いていない」
そんな話を聞くことがあります。

もちろん、占術によって
占える事の向き不向きはあるでしょう。
自分が扱いやすい占術を選ぶことも
決して悪いことではありません。

でも、
「難しいからやらない」
「覚えるのが大変だから嫌だ」
というところから
占術を選び始めると
「そもそも、あなたは何のために占いをするんだろう?」
と思ってしまうんです。

そもそも、お客様にとっては
占い師が何の占術を使っているかなんて
実はどうでもいい話なんじゃないでしょうか。

ごくたまに、
お客様から占術を指定されることもあります。
もちろん
それだけ占術に興味を持っている
ということなのでしょう。
でも、私は
「結局、その人は何を知りたいんだろう?」
と考えてしまいます。

四柱推命を使ったのか。
西洋占星術を使ったのか。
タロットを使ったのか。
もちろん
占術そのものに興味があって来る
お客様もいるでしょう。

でも本当に知りたい話の核は
「彼は私のことをどう思っているんだろう」
「この仕事を続けていいんだろうか」
「これからどうしたらいいんだろう」
「なぜ、こんなことになっているんだろう」
ということだったりします。

相談者からすれば
「その答えを出すために
あなたが何を使ったのか」より
「自分のことをちゃんと見てもらえたか」
のほうが大切なんじゃないでしょうか。

だから、占い師が見たいのは
占術そのものではありません。
目の前にいる人です。
この人は、どういう人なんだろう。
なぜ、このことで悩んでいるんだろう。
なぜ、この人は今この質問をしているんだろう。
この人が今必要としているものは何なんだろう。
そうやって人を見ようとしたときに
「じゃあ、何を使って見ようか?」
と考えるのが自然なんじゃないでしょうか。

お客様のテーマに合わせて
四柱推命から見えることなら
四柱推命を使えばいい。
西洋占星術から見えることなら
西洋占星術を使えばいい。
タロットから見えることなら
タロットを使えばいい。

もちろん、ひとつの占術を極めることも
素晴らしいことだと思います。
でも、それは
「この占術を使いたいから、人を見る」
という順番ではなく
「この人をもっと知りたいから
この占術を使う」
という順番なんじゃないでしょうか。
「卵が先か鶏が先か」みたいな話に
しないでくださいね。
これは
そんなに難しい話ではないと思うんです。

私はもともと
占い師になりたくて
タロットを勉強したわけでは
ありませんでした。
タロットカードそのものが
面白かったのがきっかけでした。
78枚のカードで
どうして人間の人生をこんなにも
表現できるんだろう。
それが知りたかった。
だから、もっと知りたくなった。
その後、四柱推命や西洋占星術など
いろいろな占術を勉強するようになりました。
勉強していくと
それぞれの占術によって見えるものや
物事の捉え方が違うことにも気づきます。
難しいからとか関係なく
知りたい知りたいって好奇心だけで
勉強していきました。

だから私は
「どの占術が一番優れているのか」
という話にも、あまり興味がありません。
それぞれ違う道具なんだから
見えるものが違って当然です。
ただ、当たらない占術は論外ですけど。

同じ人を見るとしても
四柱推命から見るのか
西洋占星術から見るのか
タロットから見るのかで
拾える情報も考え方も変わってきます。
各占術の奥に潜んでいる思想哲学も違います。
だからこそ面白い。

ひとつの占術で
すべてを説明しようとする必要なんて
ないんじゃないでしょうか。
むしろ、占い師がこだわるべきなのは
「私は何の占術を使っているのか」
よりも、
「私はこの人を、どう理解しようとしているのか」
なんじゃないかと思います。

占術は、人を見るための道具です。
料理人が包丁そのものについて語ることはあっても
最終的に大切なのは
どんな料理を作るのかということですよね。
それなのに、
「この包丁は難しい」
「この包丁は覚えることが多い」
「こっちの包丁のほうが簡単」
という話ばかりしていたら
「いや、何を作りたいの?」
となるんじゃないでしょうか。
占いも、少し似ている気がします。
もちろん、占術を深く学ぶことは大切です。
簡単なものだけを選んでいればいいとも思いません。

むしろ、分からないからこそ勉強する。
難しいからこそ知りたくなる。
そういう姿勢は
占い師にとって大切なものだと思います。
ただ
「この占術は難しいからやめておこう」
で終わってしまうのではなく
「この占術を使ったら
人間について、何が見えてくるんだろう?」
と考えてみてほしい。
そのほうが、占いはずっと面白くなると思うんです。
占術を覚えることが
目的になってしまうと
いつの間にか「占い師になること」が
目的になってしまう。
私はこういう順番のほうが自然だと思う
占いが本当に面白いのはその先です。

人間を知ろうとすること。
そのために占術がある。
私は、そんな順番のほうが自然だと思っています。
だから
「占い師が占術にこだわるのってちょっと頓珍漢じゃないか?」
と思うことがあるんです。

占術にこだわるな、という話ではありません。
占術より先に、目の前のお客様を見てほしい。
その人を知りたいと思ったときに、
必要な道具を選べばいい。
私は、ただそれだけの話だと思っています。

にんにん
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