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島郷かっぱ

若松生まれのかっぱが案内する石峰山のろし台跡 ~大切な気持ちは、伝えなければ届かない~

こんにちは。

若松生まれの占い師、島郷かっぱです。

前回の若松めぐりでは、石峰山に残る高射砲陣地跡を取り上げました。

同じ石峰山には、さらに昔の歴史があります。

 

時代は第二次世界大戦よりも、ずっと前。

江戸時代です。

石峰山の西側八合目付近には、かつて遠くへ情報を知らせるための、

「のろし台」

がありました。

 

今ならスマートフォンを使えば、遠く離れた人にも一瞬で連絡できます。

LINE。

電話。

メール。

SNS。

でも江戸時代には、そんなものはありません。

 

遠くへ緊急事態を知らせるために使われた方法の一つが、

「のろし」

でした。

 

煙や火を使い、次の場所へ知らせる。

さらに次へ伝える。

そうやって情報をつないでいきます。

石峰山も、その情報網を担った場所でした。

 

今回は石峰山のろし台跡から、

「大切な気持ちは、伝えなければ届かない」

ということを考えてみたいと思います。

 

石峰山にあった「のろし台」

石峰山は若松区にある標高約302メートルの山です。

北九州市の玄海遊歩道は、高塔山公園から若松の山々の尾根をたどり、グリーンパーク方面へと続いています。

 

その途中に、石峰山とのろし台跡があります。

現在ののろし台跡は、平坦な草地となっています。

何も知らずに見ると、

「ここに昔、そんな重要な施設があったの?」

と思うかもしれません。

 

でも、この場所は江戸時代、遠く離れた地域へ情報を伝えるための重要な役割を担っていました。

 

のろし台がつくられた背景

石峰山ののろし台が整備されたのは、文化6年(1809年)ごろ。

当時、日本の周辺には外国船が姿を現すようになっていました。

その前年の文化5年(1808年)には、長崎港でイギリス軍艦フェートン号による事件が起こっています。

 

こうした外国船への警戒が強まるなか、緊急時の情報を素早く伝えるため、福岡藩などによる「のろし」の連絡網が整えられました。

 

福岡藩では、佐賀藩側から伝わってきた情報を受け、

天山。

四王寺山。

龍王岳。

六ヶ岳。

そして石峰山へ。

さらに豊前方面へ。

山から山へ、のろしによって情報をつなぐ仕組みが考えられていました。

1809年には実験にも成功したとされています。

 

今で考えると、

江戸時代の通信ネットワーク

みたいなものですね。

 

LINEも電話もない時代

今なら、

「大変なことが起きた!」

と思ったら、電話できます。

写真を送ることもできます。

数秒でLINEも届きます。

 

でも江戸時代にはできません。

遠くにいる人へ情報を伝えるだけでも大変でした。

 

そこで、

山の上から煙を上げる。

それを別の場所にいる人が確認する。

今度はその場所から、のろしを上げる。

そうやって次へ次へと情報をつないでいきます。

石峰山は高い場所にあります。

遠くまで見渡すことができる。

同時に、遠くからも確認しやすい。

だからこそ「伝える場所」として使われたのでしょう。

 

伝えなければ、分からない

のろし台について考えていると、占い師の私は恋愛相談を思い出しました。

 

たとえば、

「彼は私の気持ちに気づいていますか?」

という相談です。

話を聞いてみると、

「好きとは言っていません」

「自分から誘ったこともありません」

「LINEも相手から来るのを待っています」

という場合があります。

 

そこで、

「相手はあなたが好きだということを知っているんですか?」

と聞くと、

「たぶん分かっていると思います」

と言われる。

……本当に分かっているでしょうか(笑)。

人の気持ちは、

言葉にしなければ伝わらないことがあります。

 

「分かってくれるはず」は難しい

恋愛だけではありません。

夫婦。

家族。

友達。

職場。

いろいろな人間関係で、

「言わなくても分かるやろ」

と思ってしまうことがあります。

「これくらい察してほしい」

「普通なら分かるはず」

「長く一緒にいるんだから分かってくれる」

 

でも、意外と伝わっていません。

自分の中では100%でも、

相手には20%しか伝わっていないことがあります。

相手が悪いわけではありません。

人間は、自分とは違う人だからです。

 

好きな気持ちも同じ

好きな人がいる。

でも、

振られるのが怖い。

関係が壊れるのが怖い。

だから何も言わない。

それも一つの選択です。

無理に告白しなければならないわけではありません。

 

ただ、

「何も伝えない」ということも、一つの選択

だということは覚えておいてほしいと思います。

何も言わなければ傷つかないかもしれない。

 

でも、何も始まらない可能性もあります。

人生では、

伝える勇気。

待つ勇気。

どちらも必要なのかもしれません。

 

タロットの「魔術師」から考える

タロットには、

「魔術師」

というカードがあります。

 

始まり。

行動。

コミュニケーション。

自分の持っているものを使って何かを始める。

そんな意味として読むことがあります。

 

恋愛相談で魔術師が出ると、

「少し自分から動いてみてもいいかもしれませんね」

と読む場合があります。

 

もちろん、

いきなり、

「好きです!付き合ってください!」

と言わなければならないわけではありません。

 

「今度ご飯行かない?」

でもいい。

「最近どう?」

でもいい。

小さなのろしを上げてみる。

それだけでも関係が動くことがあります。

 

ただし、伝え方も大切

のろしは、決められた方法で情報を伝えるためのものでした。

人間関係も同じで、

何を伝えるかと同じくらい、どう伝えるかも大切です。

たとえば相手から返信がないとき、

「なんで返事してくれないの?」

と送るのと、

「忙しいかな?落ち着いたらまた連絡してね」

と送るのでは、受け取る印象が違います。

 

自分の気持ちを伝えることは大切。

でも、自分の感情を相手にぶつけることとは違います。

相手の立場も考えながら伝える。

これが意外と難しいんですよね。

 

伝えすぎることもある

反対に、

「伝えれば伝えるほどいい」

というわけでもありません。

LINEを送る。

返信がない。

もう一度送る。

まだ来ない。

さらに送る。

相手からすると、

「ちょっと待って……」

となることがあります。

のろしだって、ずっと煙を上げ続けていたら、何を知らせたいのか分からなくなってしまうでしょう。

 

伝えたら、

相手からの返事を待つ。

これもコミュニケーションです。

自分から動くことと、

相手の時間を尊重すること。

そのバランスが大切です。

 

のろし台は短い期間で役目を終えた

石峰山ののろし台は、長期間使われ続けたものではありませんでした。

文化13年(1816年)には廃止されたとされています。

 

天候などの影響を受けやすい「のろし」という方法には、限界もありました。

 

しかし、実際に活躍する機会が少なかったからといって、

「意味がなかった」

とは言い切れません。

もし何か起きたら知らせる。

そのために備える。

それ自体に意味があります。

人生にも似たことがあります。

 

伝えた気持ちが思い通りにならなくても

好きな人に気持ちを伝えた。

でも、付き合えなかった。

「言わなければよかった」

と思うこともあるでしょう。

でも、本当に全部無駄だったでしょうか。

 

自分の気持ちを言葉にした。

怖かったけれど、一歩踏み出した。

相手の気持ちを知ることができた。

そして、次へ進むきっかけになった。

 

その経験が、数年後の自分を支えることもあります。

結果だけで、その行動の意味を決めなくてもいいと思います。

 

占いも「伝える」仕事

私が占い師として大切にしたいことも、

伝えること

です。

 

カードがこう出ました。

命式を見るとこういう傾向があります。

でも、それをただ読み上げるだけでは鑑定ではないと思っています。

 

相談者さんが、

「じゃあ私はどうすればいいんだろう?」

と考えられるように伝える。

 

厳しい内容が出たとしても、怖がらせるために言うのではありません。

反対に、良いことだけを言えばいいわけでもありません。

相手に届く言葉を考える。

これは私自身も、ずっと勉強していかなければならないことだと思っています。

 

同じ山が、時代によって役割を変えた

石峰山は面白い場所です。

江戸時代には、

のろし台。

そして昭和になると、

高射砲陣地。

 

同じ山が、時代によって違う役割を担いました。

人間も同じかもしれません。

20代の自分。

30代の自分。

40代の自分。

50代の自分。

ずっと同じ役割で生きる必要はありません。

仕事が変わる。

付き合う人が変わる。

興味が変わる。

夢が変わる。

昔できなかったことが、できるようになる。

 

だから、

「自分はこういう人間だから」

と決めつけなくてもいい。

人生の役割は、途中で変わってもいいんです。

 

今は、簡単に伝えられる時代だからこそ

江戸時代は、遠くへ一つの情報を届けるだけでも大変でした。

今は違います。

スマートフォンを取り出せば、

数秒で伝えられます。

 

でも不思議なことに、

簡単に連絡できる時代なのに、本当に大切なことほど伝えられない

ことがあります。

 

「ありがとう」

「ごめんなさい」

「うれしかった」

「寂しかった」

「助かったよ」

「好きです」

短い言葉です。

でも、なかなか言えません。

 

石峰山ののろし台を思うと、

「伝えられるうちに伝えることも大事なんやな」

と思います。

 

大切な気持ちは、伝えなければ届かない

石峰山の西側八合目に残る、のろし台跡。

かつてここから、

遠く離れた場所へ情報を届けようとしていました。

煙を上げる。

誰かが見る。

そして次へつなぐ。

 

人と人とのコミュニケーションも、少し似ています。

自分から発信する。

相手が受け取る。

相手から返ってくる。

そして関係がつながっていく。

 

何も伝えなければ、

相手には分からないことがあります。

もちろん、何でも言えばいいわけではありません。

相手の気持ちや状況を考えることも大切です。

 

でも、

本当に伝えたいことまで、自分の心の中だけに閉じ込めなくてもいい。

「ありがとう」

でもいい。

「また会いたい」

でもいい。

「ごめんね」

でもいい。

あなたにも今、

伝えたい人はいませんか?

石峰山ののろし台跡は、

200年以上たった今も、

「伝えることの大切さ」

を私たちに教えてくれているような気がします。

 

大切な気持ちは、

伝えられるうちに伝える。

小さなのろしでもいいんです。

それが誰かとの関係を変える最初の一歩になるかもしれません。

若松生まれの占い師、島郷かっぱでした。

それでは、また。

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