曽我部 キキョウ
大きく見せたい ~人間だけが選べる「強さ」とは
動物は「ライバル」が現れると、
自分の身体を大きく見せて
相手を威嚇します。
猫が毛を逆立てるのも、
アリクイが立ち上がって両手を広げるのも
カエルが体を膨らませるのも
全て「威嚇」です。
腕力勝負の動物界では
体が大きい方が有利です。
そのため、体を大きく見せて
相手が降参すれば、無駄に争わなくてすみます。
つまり威嚇とは、戦わずに勝つための知恵です。
動物もいろいろ大変だね、
なんて思われた方。
実は人間も同じです。
ご存じのように、人間は
出会ったライバルに対して、
背伸びをしたり、手を広げたりはしません。
腕力勝負ではないので
体を大きく見せても仕方がないからです。
では何をもって、自分の方が大きいぞ、と
見せているのでしょう。
お仕事をされている方なら
思い当たることもあるでしょうけれど、
名刺交換をしたときに
相手の肩書によって、
挨拶の仕方が変わりませんか。
具体的に言いますと、
「主任」の佐藤さんと
「代表取締役会長」の鈴木さんでは
自分の態度が変わる、ということです。
同じように、金融機関で
1000円で新規に口座を開設する人と、
1億円を預金している人とでは
見る目が変わります。
このように、人間も相手に対して
自分を大きく見せるということを
行っています。
ただ、体の大きさではなく
肩書や資産、
その他、学歴やSNSのフォロワー数など
社会的な立場を大きく見せているのです。
このように、人間も相手との違いを見つつ
自分を大きく見せようとしています。
人間も比較する生き物です。
比較するなと言われても
するのが当然なのです。
ここでお気づきの方もいるでしょう。
動物は大きく見せると言っても
体であり、ときに声の大きさであり、
つまるところ身体的特徴です。
ところが人間は社会的な部分で
大きく見せます。
それは体のような限界がありません。
いくらでも大きくなるし、
しかも選択肢は豊富にあります。
肩書や財産だけでなく、
信頼や誠実さ、
持っている技術や優しさまで
相手に「大きい」と感じさせることができるのです。
相手と比較することや、
自分を大きく見せようとするのは
動物としての人間の本能です。
本能をなくそうとする必要はありません。
何を育て、大きく見せるかを
自分で選ぶことができる。
これこそが人間らしさではないでしょうか。
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