ブログ

あぐり

話が通じない同僚に、どこまで合わせればいいのか ペンタクルの2・正位置が告げる「あなた一人の器用さで、職場を支えなくていい」

 

同じ職場で働く同僚D。

周囲はこれまで、Dの事情を考え、シフトを代わるなどの配慮をしてきました。

けれどもDは、担当している持ち場を勝手に離れ、ほかの人とのおしゃべりに夢中になることがあります。

仕事について確認しようとしても、こちらの話を聞く様子はありません。

問いかけに答えるのではなく、突然、関係のないことまで一気にしゃべり始める。

話を整理しようとしても、次から次へと言葉を重ねるため、肝心なことが何ひとつ確認できない。

「こちらは十分に配慮してきたつもりです。それでも話が通じません。いったい、どう対応すればよいのでしょうか」

そんな問いに対して現れたのが、

ペンタクルの2・正位置

でした。

ペンタクルの2が描く、落ち着かない世界

ペンタクルの2には、二つの金貨を無限大の輪で結び、器用に操る人物が描かれています。

その背後では海が荒れ、船が大きな波に揺られています。

人物は軽やかに見えますが、足元は決して安定していません。

このカードは、複数のことを同時に扱う柔軟性や、状況に応じて立ち回る器用さを表します。

けれども今回の問いでは、その柔軟性が少し違った形で現れているように見えます。

持ち場に留まらない。
仕事よりも会話へ流れる。
注意されると、問いに答えず別の話を始める。
一つの問題に向き合う前に、次の話題へ移っていく。

D本人の中では、自分はさまざまなことに対応し、臨機応変に動いているつもりなのかもしれません。

しかし周囲から見れば、それは柔軟性というよりも、

責任の所在を曖昧にしながら、その場その場を渡り歩いている状態

です。

仕事も、会話も、感情も、本人の中ではひとつの輪の中をぐるぐると回っているのでしょう。

こちらが一つのことを確認しようとしても、話は別の方向へ逸れ、結局どこにも着地しません。

これ以上の配慮が、解決になるとは限らない

周囲はすでに、Dに対して配慮をしています。

シフトを代わり、抜けた場所を補い、なるべく波風が立たないように対応してきました。

それでも同じことが続いているのであれば、問題は配慮が足りないことではありません。

むしろ、周囲が穴を埋め続けることで、D本人が自分の行動によって何が起きているのかを実感できなくなっている可能性があります。

誰かが持ち場を離れても、ほかの人が補う。
話が通じなくても、理解力のある人が整理する。
仕事が止まりそうになっても、責任感の強い人が何とか回す。

そうして表面上は、今日も職場が動いていきます。

けれども、その裏ではいつも同じ人が負担を背負っています。

ペンタクルの2が示す柔軟性とは、際限なく相手に合わせ続けることではありません。

本当の柔軟性とは、

倒れないために、どこまで引き受け、どこから相手へ返すのかを見極めること

です。

「わかってもらおう」としすぎない

話の通じない相手を前にすると、私たちはつい、もっと丁寧に説明すれば伝わるのではないかと考えます。

言葉を増やし、事情を説明し、相手の気持ちまで想像して話そうとします。

けれども、相手がこちらの話を聞かず、一方的にしゃべり続けるのであれば、長い説明はかえって相手の土俵へ入ることになります。

今回必要なのは、Dの人格や考え方を変えようとすることではありません。

仕事上必要なことだけを、短く、具体的に伝えることです。

「今はこの持ち場をお願いします」

「離れるときは、先に責任者へ伝えてください」

「その話はあとで聞きます。今は担当業務を確認しています」

「質問しているのは、今日の引き継ぎについてです」

Dが別の話を始めても、その内容に巻き込まれず、必要な一点へ戻します。

こちらまで言葉の波に乗ってしまえば、会話はいつまでも終わりません。

同じ要点へ静かに戻すこと。

それは冷たさではなく、仕事を仕事として守るための境界線です。

言葉ではなく、仕組みで対応する

ペンタクルは、現実的な仕事、時間、役割、お金、記録を象徴するカードです。

そのため、この問題は、

「どんな言い方をすればDに理解してもらえるか」

ではなく、

「Dが理解しなくても仕事が混乱しない仕組みを、どうつくるか」

という方向から考える必要があります。

担当する場所と時間を明確にする。
持ち場を離れる場合の手順を決める。
引き継ぎを口頭だけにしない。
業務に支障が出た日時と状況を記録する。
個人間の問題にせず、責任者と共有する。

大切なのは、Dを批判する言葉ではなく、事実を扱うことです。

「Dは無責任です」

「話が通じません」

と伝えるだけでは、個人的な好き嫌いとして受け取られる可能性があります。

そうではなく、

「午後2時から2時30分まで持ち場を離れていたため、別の職員が対応しました」

「担当業務について確認しましたが、別の話が続き、確認を完了できませんでした」

というように、起きたことを淡々と共有します。

事実を記録することによって、問題は個人の感情ではなく、職場運営の課題として扱えるようになります。

「何とか回せる人」が、いちばん疲弊する

ペンタクルの2・正位置には、

何とか回せてしまう危うさ

も描かれています。

仕事のできる人。
気の利く人。
空気を読める人。
責任感の強い人。

そういう人が周囲にいると、Dが持ち場を離れても、表面上は仕事が回ってしまいます。

誰かが補い、誰かが謝り、誰かが整理するからです。

けれども、「回っている」という事実と、「健全に回っている」ということは同じではありません。

誰かの器用さと我慢によって保たれている職場は、見えない場所で少しずつ歪んでいきます。

このカードは、相談を寄せた人に、

もっと臨機応変に対応しなさい、
もっと上手にDを扱いなさい、

と告げているのではありません。

むしろ、こう伝えているように思えます。

あなた一人の器用さで、歪んだ状態を維持しなくていい。

相手の混乱と、自分の心を切り離す

Dが落ち着かず、話が次々に飛び、仕事に集中できないとしても、それはD自身が向き合うべき問題です。

こちらがすべてを受け止め、整理し、理解し、補ってあげる必要はありません。

Dの言葉が混乱しているからといって、自分の心まで混乱させないこと。

Dが責任を曖昧にするからといって、こちらまで曖昧な対応をしないこと。

Dが持ち場を離れたなら、その不足分を黙って引き受けるのではなく、誰が、いつ、どのように対応するのかを明確にすること。

相手と自分の間に境界線を引くことは、見放すことではありません。

それぞれの責任を、それぞれの場所へ戻すことです。

ペンタクルの2・正位置が告げる答え

ペンタクルの2は、荒れた海を静めるカードではありません。

波があることを受け入れたうえで、足元を崩さず、何を持ち、何を手放すかを選ぶカードです。

Dを理解させようとしすぎない。
感情的な議論をしない。
短く具体的に伝える。
役割と手順を明確にする。
起きた事実を記録する。
周囲の善意だけで穴を埋め続けない。

今回の問いに対するペンタクルの2・正位置の答えは、

相手を変えようとするのではなく、相手の不安定さに巻き込まれない仕組みを整えること

です。

誰かの混乱を支えるために、あなたまで無限大の輪の中を回り続ける必要はありません。

器用に耐えることよりも、静かに境界線を引くこと。

そのとき初めて、あなたの力は、誰かの穴を埋めるためではなく、本来の仕事を果たすために使われ始めるのです。

「アルカナの巫女」シリーズとして、さらに相談を寄せた方への語りかけを強めた版にも仕上げられます。

  • 「ほしよみ堂」youtubeチャンネル
  • 占い師募集

占いのことなら|ほしよみ堂 > ブログ > 話が通じない同僚に、どこまで合わせればいいのか ペンタクルの2・正位置が告げる「あなた一人の器用さで、職場を支えなくていい」