ブログ

あぐり

上司の悪口を言いながら利用する同僚――ワンド9逆位置が教える「他人の未熟さを背負わない」ということ

職場の人間関係というものは、
仕事そのものよりも難しいことがあります。

今回いただいたのは、こんなご相談です。

ある同僚が、普段お世話になっている上司について、

「あの上司、おばさんにはモテるけど若い子には人気ないのよ」

と話しているのを聞いてしまったそうです。

もちろん、その程度のことなら、
職場ではよくある雑談なのかもしれません。

上司に報告するほどのことでもない。

わざわざ伝えれば、

「そんなことまで告げ口するの?」

と思われるかもしれない。

だからといって、
一緒になって笑ったり、同意したりする気にもなれない。

なぜなら、その上司は実際には、
その同僚が仕事をしやすいように、
さまざまな場面で配慮してくれているからです。

本人はその恩恵を受けている。

それなのに陰では、
まるで自分が上司を査定する立場であるかのように、

「誰には人気がある」
「誰には人気がない」

と評価している。

そこに強い違和感を覚えたとのことでした。

このご相談についてタロットカードを引くと、

ワンド9・逆位置。

非常に象徴的なカードです。

ワンド9は「自分を守る」カード

ワンド9の正位置には、

警戒する。
備える。
自分の領域を守る。

という意味があります。

これまで傷ついた経験があるからこそ、
簡単には人を信用しない。

自分の境界線を守りながら、
慎重に周囲を見る。

そんなカードです。

ところが逆位置になると、
この「警戒」が少し過剰になってきます。

他人の言動を気にしすぎる。

誰が何を言ったのか、
誰が誰をどう評価しているのか、
誰が裏で何を考えているのか。

そうしたことまで背負い込み、
いつの間にか自分自身が疲弊してしまう。

今回の相談で重要なのは、

「その同僚が悪口を言った」

という出来事以上に、

それを聞いた自分が、どう対処すべきなのかまで背負い始めている

という点なのだと思います。

違和感の正体は「恩知らず」だけではない

今回、なぜこれほど引っかかったのでしょう。

単純に、

「お世話になっているのに悪口を言うなんて失礼だ」

ということだけではないと思います。

もっと深いところにあるのは、

人から配慮されている自分には気づかず、自分だけが他人を評価する側に立っている

という構図への違和感ではないでしょうか。

人間関係には、ときどきこういうことがあります。

助けてもらっている。

仕事を回してもらっている。

目に見えないところでフォローしてもらっている。

ところが、それを当然のものとして受け取り、

「あの人はこうだから」
「あの人は人気がない」
「あの人って結局こういう人よね」

と、突然「採点する側」に回ってしまう。

それは一種の幼さでもあります。

自分が受け取っているものは見えない。

しかし他人の欠点だけはよく見える。

そしてさらに、

「おばさんにはモテる」
「若い子には人気がない」

という言い方には、
人間を人気投票のような尺度で評価する感覚もあります。

仕事上の能力や誠実さではなく、
誰に好かれているかで人間の価値を測る。

その尺度そのものに違和感を覚えたのでしょう。

しかし、その人を裁く必要はない

ここでワンド9逆位置が伝えていることがあります。

それは、

「あなたがその人を正す必要はありません」

ということです。

確かに、その言動は褒められたものではありません。

しかし、

「そんなことを言うのは間違っている」

と説教する必要もない。

上司に、

「実はあの人がこう言っていました」

と報告する必要もない。

業務上の不正やハラスメント、
情報漏洩や重大な問題なら話は別です。

しかし今回の段階では、
あくまで品のない雑談です。

そこに正義感で介入すると、
今度は自分自身が、

「誰が誰の悪口を言った」

という世界の住人になってしまいます。

それこそワンド9逆位置が警告しているところです。

他人の未熟さを監視し始めると、
こちらまでその人の世界に巻き込まれてしまう。

悪口に同調しない、しかし戦わない

では、どうすればいいのでしょう。

答えは意外とシンプルです。

同調しない。

それだけでいいのです。

たとえば、

「そういう見方はしたことなかったな」

あるいは、

「私は仕事では結構助けてもらってるけどね」

そのくらいで十分です。

正論で叩き伏せる必要はありません。

「あなたは間違っている」
「恩知らずじゃない?」

などと言えば、
今度は新しい対立が始まります。

しかし一方で、

「そうそう、確かに若い子には人気ないよね」

と合わせてしまえば、
自分もその悪口の輪の中に入ることになります。

戦わない。

同調もしない。

静かに距離を置く。

これが最も強い態度です。

「この人はこういう人だ」という情報だけ受け取る

今回の出来事には、
一つだけ大切な情報があります。

それは、

この人は、世話になっている相手についても陰では評価や悪口を口にすることがある

ということです。

これは覚えておいていいでしょう。

なぜなら、
人が別の誰かにしていることは、
いつか自分にも向けられる可能性があるからです。

上司について平気で陰口を言う人なら、
あなたについても別の場所で何か言うかもしれない。

だからといって疑心暗鬼になる必要はありません。

ただ、

必要以上に個人的なことを話さない。

秘密を共有しすぎない。

他人の悪口の輪に加わらない。

感情的に深く関わりすぎない。

仕事上必要な関係だけを、
淡々と築いていく。

それで十分です。

人間関係というのは、
必ずしも

「好きになる」
「嫌いになる」

の二択ではありません。

適切な距離に置く

という第三の選択があります。

嫌いな相手に意識を奪われない

ワンド9逆位置には、
もう一つ重要なメッセージがあります。

それは、

「警戒し続けることによって、自分まで消耗しないこと」

です。

一度違和感を覚えると、

「あの人、また何か言っている」
「また恩知らずなことをしている」
「どういう神経をしているのだろう」

と相手を観察するようになります。

しかし、ここには罠があります。

嫌いな相手を監視しているつもりが、
実はその相手に自分の意識を支配され始めるのです。

朝から晩までその人のことを考える。

何を言った。

誰と話していた。

どんな態度だった。

そうなった瞬間、

相手はあなたの人生の中で、
実際以上に大きな存在になってしまいます。

これは非常にもったいない。

他人の未熟さは、
その人自身が人生のどこかで引き受ける問題です。

あなたが代わりに教育する必要はありません。

見るべきなのは「その人の悪口」ではなく「自分との関係」

大切なのは、

「あの人が上司について何を言っているか」

を監視することではありません。

見るべきなのは、

その人が自分との関係の中で、どのような行動を取る人物なのか

です。

仕事をきちんとするのか。

約束を守るのか。

責任を取るのか。

困ったときに協力できるのか。

信用できる情報を扱えるのか。

人間を見るときには、
言葉より行動です。

悪口は聞き流してもいい。

しかし、
その人の行動パターンだけは静かに観察しておく。

これが大人の人間関係です。

ワンド9逆位置が教えていること

今回のワンド9逆位置を一言で表すなら、

「他人の人間関係まで守ろうとして、自分が疲弊するな」

ということだと思います。

上司の恩を理解できるか。

陰で悪口を言うか。

誰をどんな基準で評価するか。

それはその同僚自身の人格の問題です。

あなたが裁判官になる必要はありません。

密告者になる必要もありません。

教育係になる必要もありません。

ただ、

「私はそういう会話には加わらない」

という自分自身の姿勢だけは、
静かに守ってください。

それでいいのです。

ワンド9の正位置なら、

「防御を固めろ」

というカードです。

しかし逆位置だからこそ、

城壁を高くしすぎる必要もない

と読むことができます。

敵にする必要はない。

信用しすぎる必要もない。

少し離れる。

深入りしない。

悪口には加わらない。

そして自分の仕事、自分の人生へ戻る。

他人の未熟さを見抜くことよりも大切なのは、

その未熟さによって、自分自身の心まで濁らせないこと。

ワンド9逆位置は、
そんな静かな強さを教えているのではないでしょうか。

  • 「ほしよみ堂」youtubeチャンネル
  • 占い師募集

占いのことなら|ほしよみ堂 > ブログ > 上司の悪口を言いながら利用する同僚――ワンド9逆位置が教える「他人の未熟さを背負わない」ということ