星 叶夢
星 叶夢(ほし かなむ)
ほしよみ堂大阪梅田店所属
「私は大丈夫」そう思いたかっただけかもしれない
~私は大丈夫⑥~
「私は大丈夫。」
そう信じて生きてきました。
いえ、
そう思いたかっただけなのかもしれません。
私は、ひとりで多くのものを抱えて生きてきました。
どうしてなのか?
何故か我慢して、
何も言わず、
黙々とこなしてしまう。
いつの間にか、それが癖になっていました。
病気になったのは、私のせいではありません。
誰かに申し訳ないと思う必要もなかったはずです。
それなのに、
「迷惑をかけたくない。」
「自分でできることは、自分でやろう。」
ついつい、やってしまうのです。
今振り返ると、
私の我慢癖は、真綿で自分の首を絞めるようなものだったのかもしれません。
我慢している本人は、
案外、我慢していることに気づいていません。
「これくらい大丈夫。」
そう言って動いていると、
周りの人も、
「大丈夫なんだ。」
と思うようになります。
夫も、義母も、
私が動くことを当たり前に思うようになっていきました。
でも、それは周りだけのせいではありません。
私自身が、そう思わせてしまったところもあったのだと思います。
「なんとかなる」
私は今でも、この言葉が好きです。
実際、なんとかなることはたくさんあります。
でも、
「なんとかなる」と、
「この人がなんとかしてくれる」は違います。
なんとかしてくれる人になるのは、
しんどい。
それでも当時の私は、
「しんどい」
「助けて」
そんな言葉さえも、浮かびませんでした。
どうやって荷物を下ろせばいいのかも、
分からなかったのだと思います。
そして今。
病気との付き合いは、現在進行形です。
でも、
昔と少し違うことがあります。
最近になって、ようやく、
「私は大丈夫じゃない」
そう口に出せるようになりました。
「私は大丈夫」
その言葉に助けられたことも、たくさんあります。
だから、この言葉を否定するつもりはありません。
ただ、
大丈夫じゃない時まで、
大丈夫なふりをしなくてもいい。
持てるからといって、
全部の荷物をひとりで持つ必要もない。
荷物は、下ろしてもいいのです。
そんな当たり前のことに気づくまで、
私はずいぶん時間がかかりました。
ほしよみ堂大阪梅田店 星 叶夢






