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迦具華リオサ

秋に桜が咲いても、おかしくない|いけばなと占いが教えてくれる「自分の季節」

「秋に桜が咲いていたら、おかしいと思いますか?」

桜といえば春。
入学式、卒業式、花見。

多くの人が、桜は春に咲く花だと思っています。

でも実際には、秋から冬にかけて花を咲かせる桜があります。

十月桜(ジュウガツザクラ)
冬桜(フユザクラ)
四季桜(シキザクラ)
子福桜(コブクザクラ)

こうした桜は、秋から冬に花を見せ、春にも再び咲くものがあります。

つまり、

「桜は春に咲く」という感覚は間違いではない。
でも、「秋に桜が咲くのはおかしい」というのも違う。

華道家として花を見ていると、私はここがとても面白いと思うのです。

季節を知ることと、決めつけることは違う

いけばなでは、季節感をとても大切にします。

春には春の花。
夏には夏の花。
秋には実ものや紅葉。
冬には枝もの。

その植物が本来どの季節に育ち、どの季節に花を咲かせるのか。

それを知ることは、とても大切です。

けれど、

「この花は、この季節でなければならない」

と決めつけてしまうと、自然そのものが持っている面白さを見落としてしまいます。

十月桜は秋に咲く。

冬桜も寒い時期に花をつける。

四季桜も春だけの桜ではありません。

同じ「桜」という名前で呼ばれていても、咲く時期は一つではないのです。

季節を知っているからこそ、

「あれ? 今、桜が咲いている」

という小さな違いにも気づくことができます。

そして、

「季節外れだ。おかしい」

ではなく、

「この桜は、今が咲く季節なんだ」

と見ることができる。

私は、これがとても大切な感覚だと思っています。

人にも「春に咲く人」と「秋に咲く人」がいる

占いの鑑定でも、よくこんな相談を受けます。

「この年齢で結婚していないのは遅いですか?」

「今から転職するのは遅いでしょうか?」

「50代から新しいことを始めてもいいですか?」

「周りはみんな先に進んでいるのに、自分だけ遅れている気がします」

でも私は思います。

人間も桜と同じではないでしょうか。

春に咲く人もいる。

秋に咲く人もいる。

一度咲いて、しばらく休み、もう一度咲く人もいる。

みんな同じ時期に咲かなければならない理由なんて、本当はありません。

「普通」という季節に合わせなくてもいい

世の中には、たくさんの「普通」があります。

20代ならこう。

30代ならこう。

40代ならこう。

50代になったらこう。

知らないうちに、人生にも花暦のようなものを作ってしまっています。

でも、自然界ですら、そんなに単純ではありません。

桜だって春だけではない。

なのに人間だけ、

「この年齢なら結婚していなければ」

「この年齢なら仕事が安定していなければ」

「もう恋愛する年齢ではない」

と決めつけるのは、少し不思議なことかもしれません。

十月桜を見て、

「春じゃないから咲いてはいけません」

なんて言う人はいないでしょう。

だったら、人に対しても同じです。

あなたが今咲こうとしているなら、今があなたの季節なのかもしれません。

いけばなでは、その花の姿を見る

いけばなでは、すべての枝を同じ方向には向けません。

真っすぐ伸びる枝もあれば、大きく曲がる枝もある。

その曲がりを無理に直してしまえば、かえって魅力を失うことがあります。

だから、まずその花を見る。

この花は、どちらを向きたいのか。

この枝は、どんな線を持っているのか。

その個性を見ながら、一番美しく見える場所を探します。

占いも同じだと思っています。

占い師が相談者の人生を、

「あなたはこう生きるべきです」

と決めるものではありません。

その人が今どんな状態なのか。

何に悩んでいるのか。

どんな可能性を持っているのか。

そして、今は動く時期なのか、それとも整える時期なのか。

そこを一緒に見ていくものだと私は考えています。

秋に咲く桜は、春の桜に負けていない

春の満開の桜には、春の美しさがあります。

一方で、秋の少し冷たい風の中で咲く十月桜には、また違う美しさがあります。

紅葉した木々の中に、ぽつりと淡い桜色が見える。

私は、そんな光景も好きです。

周りと違う季節に咲いているからこそ、目に留まる。

それは人も同じかもしれません。

誰かより遅く始めたこと。

一度諦めて、もう一度始めたこと。

年齢を重ねてから見つけた恋。

ずっと違う仕事をしていた人が始める、新しい人生。

周囲から見れば、

「今から?」

と思われることもあるでしょう。

でも、その人にとっては今が咲く季節なのです。

「今さら」ではなく、「今だから」

いけばなも占いも、私は「その人らしさ、その花らしさを見る」というところでつながっていると思っています。

季節を知ることは大切です。

でも、季節に縛られすぎる必要はありません。

秋に桜が咲いても、おかしくない。

冬に咲く桜だってある。

そして、人も同じです。

「もう遅い」

「今さら」

「普通なら」

そんな言葉で、自分の花を摘んでしまわないでください。

春に咲かなかったからといって、咲けないわけではありません。

あなたには、あなたの季節があります。

秋に咲く桜があるように、人生には「今だから咲ける花」がある。

占いは、その花を無理に咲かせるものではありません。

今、自分がどんな季節にいるのか。

これからどちらへ枝を伸ばしていけばいいのか。

それを考えるための、一つの方法です。

もし今、

「自分だけ遅れている気がする」

と感じているなら。

秋に咲く桜を思い出してみてください。

あなたが今咲こうとしていることは、決しておかしいことではありません。
 

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