曽我部 キキョウ
優しさは性格ではなく、消耗品である ~人は、他人の優しさにすぐ慣れる
いつも温和な笑みを浮かべて
話を聞いてくれる人、
気を遣ってくれる人、
頼みごとを断らない人。
身近にいませんか。
一緒にいると安心しますが
人はその安心に
すぐ慣れてしまいます。
最初は感謝を表していたのに
いつの間にかそれが当たり前、
この人は優しい、という
前提のもとに事が進みます。
こうなると、優しいことが標準です。
この人は優しくて当たり前。
甘えているという感覚も薄れ、
気遣ってもらって当然になります。
ところが「優しい人」も人ですから
余裕のないときがあります。
自分のことで精一杯の時に
他人のことまで
構っていられません。
いつも優しくしてもらっていた側からすると
急に冷たくなった、
前と違う、という認識です。
そして人は「いつもと違う」ことを
鮮明に覚えるものです。
つまり、優しくしてもらえなかった記憶は残るのに
優しかったときは「当たり前」なので
記憶していないということになります。
普段から不機嫌な人が
冷たくなったからといって
人はあまり気にしません。
ところがいつも穏やかな人が
同じようなことをすると
周囲は敏感に反応します。
これは期待値の問題です。
普段優しい人には
優しくあることを期待してしまいます。
だから優しい人は
「優しい」ことを休めず
無理をしてでも
優しくあろうとするのです。
そして限界が来ると、
急に人間関係を切ったり、
何も言わず消えることがあります。
優しさは才能ではありません。
気を遣い、話を聞き、
空気を読み、感情を受けとめる。
これは精神力を使うことです。
つまり、自分の余裕を削って
他人に与えているようなもの。
補給もなしに与え続けると
やがては枯渇します。
ところが多くの人は
優しい人が消耗していることに
気付きません。
限界まで平然として見えるから。
本当に優しい関係とは
いつも機嫌よく接している
状態でしょうか。
違うはずです。
いつもは優しい人が
疲れているとき、
優しくできないときを
受け止める必要があるのではないでしょうか。
優しい人を
「いつでも優しい人」として
消費し続けると
いつかその人の優しさが
枯れてしまうでしょう。
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