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曽我部 キキョウ

旅は遠くへ行くものだった ~時代は人の歩き方を変えていく

趣味は旅行です。

そういう人は昔も今も多いと思います。

 

けれども、旅行の傾向を見てみると

その時代ごとの価値観や

人びとが求めるものが見えてきます。

 

例えば1960年代1970年代だと、

団体のパック旅行が主流でした。

経済の高度成長期には、

旅行に行けること自体が

ステータスでもあったのでしょう。

 

当時は固定相場で、1ドルは360円。

海外旅行は一般庶民にとって

夢の世界でした。

 

そして1973年2月より

完全な変動相場制に移行。

 

バブル期には、海外へ行くことが

昔に比べて簡単になりました。

けれども、長期間の休みはとりにくいまま。

 

結果、短い日数で

どれだけの国を回るかが

重要なポイントでした。

 

10日間で8都市を巡る、ヨーロッパの旅、

なんてものも珍しくはなかったのです。

 

この時期、どれだけ多くのものを見られるかが

大事だったのでしょう。

 

その後、バックパッカーや

自分探しの旅が流行り、

旅で何かを見つけたい、という風潮でした。

 

そしてインターネットや携帯電話が登場すると、

またまた旅の様相は一変します。

 

何があるか分からないけれど行ってみる。

そういう旅が、今度は

目的地を定めて、そこを目指すたびになりました。

 

世界の情報は、家にいても得られますが

それを実際に見てみたい、ということです。

 

2000年に入ってからは、

何をしに行くか、というのが

テーマだったのかもしれません。

 

パワースポット巡り、温泉でリフレッシュなど

目的地は自らネット検索しました。

せっかくの旅だから贅沢をしようというのも

この頃からではないでしょうか。

 

旅の移動にはあまり時間をかけず、

目的地へ直行、

旅先のホテルは少しお高めで

非日常を求めました。

 

そして近頃は、推し活旅行に

聖地巡礼、グルメ旅など

何をしに行くかが決まっています。

 

このように、旅の傾向を並べてみると

当時の日本人が何を求めて旅行に出たかが

よく分かります。

 

昔は遠くへいけることに意識が向いていましたが、

今は体験したいことを、効率よく楽しむように

計画を立てます。

 

こうしてみると、旅の流行は

目的地ではなく、

その時代が求めるものを

反映しているようです。

 

時代が求めるものとは

金銭的な豊かさであり、

心の豊かさでもあります。

 

きれいな景色を見て回った時代、

自分が何者かを見つけようと、

知らない場所に行った時代、

好きなものを楽しむために

足を延ばす時代。

 

さて、次の時代の旅は

どんな豊かさを映すのでしょう。

あなたはそのとき、旅の中で

何を求めますか。

 

※過去の記事はこちらでご覧いただけます。

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