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星 叶夢

星 叶夢(ほし かなむ)
ほしよみ堂大阪梅田店所属

パジャマ姿の若い女性を見かけたら、何を考える?

~私は大丈夫⑤~

 

SLEと診断されたあと、私は何度も入院しました。

 

やはり、ネフローゼ

 

腎臓に影響が出て、尿からタンパク質が大量に失われている状態でした。

 

なかなか病状をうまくコントロールできません。

 

それでも私には、

 

「もう一人、子どもを産みたい」

という想いがありました。

 

当時の考え方では

出産はハイリスクでNG

既に、ひとりいるから良いじゃない

 

しかし、

先生もわたしの気持ちを汲んでくださり

 

治療に使う薬も考えながら、選んでくださいました。

 

診察には、いつも娘を連れてでした。

ほぼ二週間に一度の通院です。

 

病気のことより

先生と子育てについて話したりもしました。

 

当時は自宅でも水分量と尿量を管理する必要があり、

 

毎回の尿を容器にためて病院へ持って行っていました。

 

このくだりは、お食事中の方、失礼しました(笑)

 

そんな生活の中で、とても力になってくれたのが妹です。

 

妹は、この病院へ転職し、寮生活をしてくれました。

 

まめに家にも来てくれて、

休日には娘を連れて遊びに行ってくれたのです。

 

未婚の女の子なのに

 

以前にも書きましたが、妹と娘はよく似ています。

 

三人で並んでいると、なぜか娘が妹の子どもだと思われることもありました。

 

そして、不思議なことに――

 

この病院での入院生活は、楽しかったのです。

 

当時は今より長期入院も多く、同じ部屋には数か月入院している人もいました。

 

年齢は、私の母くらい。

 

でも、みんな気さくで明るい人たちでした。

 

退院した人が診察に来ると、差し入れを持って病室へ顔を出す。

 

いつの間にか、それが暗黙のルールになっていました。

 

病院の近くには、お寺があり

 

誰が言い出したのか、早朝のお参りも日課になりました。

 

 

そんなある朝。

 

お寺から病院へ戻る途中で、主治医とばったり。

 

まずい。

 

私は「絶対安静」の指示が出ています。

 

叱られる!

 

でも、先生は笑顔で

 

「おはようございます。皆さんでお参りですか?」

 

それだけ。

 

ところが翌日の回診で、先生が私に言いました。

 

「若い女性が、パジャマ姿でウロウロするのはねぇ。着替えた方がいいかな。」

 

……そこ?

 

絶対安静なのにお寺へ行ったことではなく、

パジャマ姿の方でした(笑)

 

そんなこと、一度も考えたことがありませんでした。

 

そして、その後どうしたか?

 

やっぱりパジャマでウロウロしていました(笑)

 

早朝ですし、

 

母くらいの年齢のおばちゃんたちが、しっかりガードしてくれていましたから。

 

大丈夫、大丈夫。

かまへん、かまへん。

 

私は二十代でしたが、

 

「話していると同世代のような気がする。」

「何時代の人間なん?」

 

なんて言われることもありました。

 

病気になったことは、もちろん辛い出来事です。

 

娘と離れなければならない入院でも、ありました。

 

でも、病院の中でずっと悲しんでいたわけではありません。

 

 

先生がいて、

妹がいて、

母のようなおばちゃんたちがいて。

看護師さんも友達で、

娘は、手のかからない子で、

 

毎日、笑っていました。

 

いつの間にか、

娘にとって病院は大好きな場所になっていたぐらいに

 

皆さんに、可愛いがって貰えたのです。

 

そして今、振り返っても

 

そこで出会った人たちの笑顔を覚えています。

 

ほしよみ堂大阪梅田店 星 叶夢

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