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あぐり

辛い時に嘲笑された時どうするか 火水未済・五爻が告げる「あなたの光を失わない道」

 「毎日の業務が辛くてなりません」

そう勇気を出して上司に相談したところ、ふふんと笑われて、
「そんなこと自分で解決すべきよ」
と言われてしまった。

このようなご相談をいただきました。

仕事が辛いと打ち明けることは、決して簡単なことではありません。
弱音を吐きたいわけではなく、誰かに責任を押しつけたいわけでもない。
ただ、今のままでは心がもたない。
だから、なんとか状況を変えるために、相談者は言葉を差し出したのだと思います。

けれど、その言葉が受け止められず、笑われてしまった。

これは、とても深く傷つく出来事です。
業務の辛さそのものに加えて、「わかってもらえなかった」という痛みが重なります。
さらに、「自分が甘えているのだろうか」「こんなことを言った自分が悪かったのだろうか」と、自分自身を責めてしまうこともあるかもしれません。

このご相談に対して易を立てたところ、出た卦は 火水未済(かすいびせい)五爻 でした。

火水未済とは、「まだ済んでいない」「まだ完成していない」という意味を持つ卦です。
火は上へ昇り、水は下へ流れる。
本来なら調和してほしいものが、まだ噛み合っていない状態です。

まさに今回の状況もそうです。
相談者は助けを求めた。
けれど上司は、それを受け止める器を持っていなかった。
心の火と、現実の水が、まだひとつに合わさっていないのです。

けれども、ここで大切なのは、火水未済が「終わり」ではないということです。
未済とは、未完成。
つまり、まだ変えられる。
まだ整えられる。
まだ次の道が残されている、ということでもあります。

そして五爻には、明るい意味があります。

「貞吉、悔い亡ぶ。君子の光あり。孚ありて吉なり」

正しい姿勢を守れば吉。
後悔は消える。
君子の光がある。
誠実さがあれば吉である。

この爻は、相談者の中にまだ光があることを示しています。
辛いと感じたこと。
助けを求めたこと。
自分の限界を言葉にしたこと。
それは、間違いではありません。

むしろ、自分の状態を正直に認めたことは、とても誠実な行為です。
本当に危ないのは、辛いのに辛くないふりをし、心が壊れるまで黙って耐え続けることです。

ですから、この卦はこう告げています。

嘲笑されたからといって、あなたの辛さが軽いわけではない。
受け止めてもらえなかったからといって、あなたの相談が間違っていたわけではない。

ただし、ここから先は、相談する相手と方法を変える必要があります。

その上司に、何度も心情だけを訴え続けるのは、かえって傷を深くするかもしれません。
火水未済は、まだ物事の順序が整っていない卦です。
だからこそ、感情だけでぶつかるのではなく、事実を整理することが大切です。

たとえば、どの業務が過重なのか。
どの時間帯に負担が集中しているのか。
心身にどのような不調が出ているのか。
改善してほしいことは何か。
誰に、どのような支援を求めるべきか。

これらを紙に書き出してみるのです。

悲しみを、記録に変える。
怒りを、整理に変える。
傷ついた言葉を、次に自分を守るための材料に変える。

それが、火水未済・五爻の実践です。

上司に笑われた時、心は一瞬、凍りつきます。
けれど、その笑いを自分の価値判断にしてはいけません。
相手が笑ったのは、あなたの苦しみが小さいからではありません。
相手に、それを受け止めるだけの深さがなかっただけです。

必要であれば、人事、別の上司、産業医、外部の労働相談窓口、医療機関など、相談先を変えてください。
助けを求めることは、敗北ではありません。
自分を守るための、静かな知恵です。

火水未済・五爻は、まだ完成していない場所に立ちながらも、内側の光を失わない爻です。

今は、嘲笑した人に理解してもらうことより、自分の光を守ること。
笑う人の前で心をすり減らすより、受け止める器のある場所へ、言葉を届けること。

辛い時に嘲笑されたなら、まず思い出してください。

あなたの辛さは、笑われてよいものではありません。
あなたの誠実さは、否定されるものではありません。
未完成の現実の中にも、まだ次の道は残されています。

火水未済は、終わりではありません。
まだ途中です。
そして途中であるならば、人は何度でも、道を整え直すことができるのです。

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