曽我部 キキョウ
高嶺の花は地面に立っている ~遠ざけているのは誰か
手の届かないような、
美しいけれど遠い存在。
「高嶺の花」という言葉があります。
憧れる相手に対して、
気軽にこの言葉を使っていますが
果たしてこのとき、
この「花」は、本当に高いところにあるのでしょうか。
まず、高嶺の花扱いをされた側からすると
近寄らない口実のように聞こえるかもしれません。
あるいは、
話しかけてもらえない、
誘ってもらえない、
勝手に理想像を作られる、と
孤独を感じているかもしれません。
実際、この「高嶺の花」たちは
決して高みから人々を
見下ろしているわけではないのです。
仕事ができても、
美人でも、人気者でも、
最初からそこにいたわけではないし
日々を生きているだけです。
それでも、ある一定の人にとって
「高嶺の花」は遠く高いところの存在。
なぜそうなるかというと、
つまりは高嶺の花と言っている人が
自ら下に行ってしまうからです。
誰かを高嶺の花だという人は、
その人を山の上に置くと同時に
同時に自分の位置を
谷底に決めてしまっていることがあります。
高嶺の花があるというよりも
人々の自分を低く見る気持ちが
その土地を隆起させるようにして
山を作っていると言えそうです。
山には峻険なものの
そうでないものもあります。
そこに登山道があれば、
例え花が高いところにあっても
そばに行って見ることは可能です。
要するに、高嶺の花と言っても
近付く方法がないのではない、
ということです。
才能ある人、実力のある人を見て、
「すごいな」と思うことはあるでしょう。
しかし、そこでその人を「高嶺の花」にすると
見えるはずのものが減ってしまいます。
その人が歩んできた道のりや
失敗、悩みも見えなければ
そこへ向かう可能性も
閉ざしてしまうかもしれません。
高嶺の花は、本当に山の上で
咲いているのでしょうか。
実は地面に咲いているのに、
自分から遠ざかっているのかもしれません。
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