美月マーシャ
良いものを長く使う人は、暮らしを急がない|クリストフルで感じた美意識
最近、ものを増やすことより、
何を選び、何を残していくかに
興味が向くようになりました。
便利なものは、たくさんあります。
安くて、軽くて、
手に取りやすいものも多い。
でも、
長く付き合いたいと思えるものは、
意外と多くないように感じています。
そんな頃、
友人に誘われて、
シルバーカトラリーの老舗、
クリストフルのテーブルマナー講座へ行ってきました。
フランス流のテーブルマナー。
日本のマナーとの違い。
カトラリーの扱い方。
ひとつひとつを知るうちに、
食卓とは、
ただ食事をする場所ではないのだと感じました。
そこには、
一緒に過ごす人への敬意や、
その場の時間を美しく味わうための知恵がありました。
マナーというと、
緊張してしまう人も多いかもしれません。
けれど本来は、
人と心地よく過ごすためのもの。
場を大切にするための所作なのだと感じました。
講座のあとは、
クリストフルのグラスやテーブルウェアを使ったティータイム。
テルモンのシャンパーニュを一杯。
ピエール・エルメのお菓子を少し。
目の前には、
美しいカトラリーや装飾品。
その輝きは、
一目で良いものだとわかるほど、
品がありました。
その光を眺めているだけで、
時間の流れまで、
ほんの少し変わるようでした。
とくに印象に残ったのは、
カトラリーの話です。
クリストフルには、
純銀のカトラリーもあります。
一方でよく知られているのが、
軽い素材に、厚くシルバーコーティングを施す技術。
純銀の美しさを感じながらも、
日常で使いやすい軽さがあるそうです。
しかも、
何度も磨きに出すことができる。
くすんだら終わり。
傷がついたら買い替え。
そういうものではなく、
手をかけながら、
また美しさを取り戻していく。
ここに、
とても惹かれました。
もちろん、
すぐに一式そろえられるようなものではありません。
だからこそ、
簡単に買って、
簡単に飽きるものとは違う、
重みがあります。
二世代、三世代にわたって使えると聞くと、
それは単なる食器ではなく、
時間を受け継ぐものに見えてきました。
安いから。
便利だから。
なんとなく必要そうだから。
そうして選んできたものが、
暮らしの中にはたくさんあります。
けれど、
それだけで毎日を埋めていくと、
自分が本当に好きなものが、
少しずつ見えにくくなる気がします。
何を持つかが、
その人の暮らしの基準をつくっていきます。
本当に気に入ったものを選ぶ。
手入れしながら長く使う。
その場しのぎで増やさず、
少しずつ迎え入れていく。
それは贅沢というより、
自分の暮らしを雑に扱わない、
ひとつの姿勢なのだと思いました。
サステナビリティという言葉を聞く機会は増えました。
けれど、
この日感じたのは、
もっと身近なことでした。
目の前のものを、どう扱うか。
そこから始まるのだと思います。
お気に入りのカップを大切にする。
古くなったものをすぐに手放さず、
少し手入れしてみる。
安さだけで選ばない。
たったそれだけでも、
暮らしの景色は変わります。
美しいものを持つことより、
美しいものを大切にできる自分でいること。
クリストフルの時間は、
そんなことを教えてくれました。
本当に気に入ったものを、
少しずつ選んでいく。
一気に変えなくてもいい。
食卓の小さなひとつから、
暮らしはちゃんと変わっていく。
そんな美しさを、
これから少しずつ増やしていきたいと思いました。
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原宿ほしよみ堂所属占い師
美月マーシャ
平凡な日常に、スパイスを。
ロシアで出会った女性たち、
日本茶や季節のこと、
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