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曽我部 キキョウ

捨てる技術、残す技術 ~手放すことだけが整理ではない

捨てる技術が世の中でもてはやされ、

断捨離をすることが

正しいような見方になっています。

 

もちろん、家の中が片付かず、

物があふれかえっているのなら

それは物を捨てることに

意味があるでしょう。

 

しかし、思い出の品を

場所があって保存している場合は

少し訳が違います。

 

例えば故人からの手紙。

あるいは元カレの写真。

子どもの頃、大切にしていたぬいぐるみ。

 

流行りの断捨離であれば

捨てる対象になるでしょう。

 

けれども、それは本当に

今手放していいものなのでしょうか。

 

他人から見ると、

単なる古いもの、

必要のないものです。

 

けれども、本人からすると

大事な記憶の一部で

言い換えれば、人生の記録です。

 

そこに物があるから

心の整理がつかないのだと

人は考えてしまいがちです。

 

しかし、実際の順番は逆です。

 

心の整理がついたから

物が捨てられるのです。

 

別に毎日見るわけでもない

故人や元カレの写真でも

まだ気持ちが残っているときに

捨ててしまうとどうなるでしょう。

 

もう一度見たい、と思ったとき

もう手元にはありません。

 

どうして捨ててしまったんだろう、と

余計な後悔が生まれます。

 

その後悔は、時として

捨てた自分への責めにもなります。

 

ところが、その人への気持ちが昇華されて

もう捨てても気にならない、と

確信できてからだと

「そういえば、この前捨てたな」で終わります。

 

故人の遺品をずっと残していたのに、

ある日突然、もういいかなと思って

捨てることができた、という話もあります。

 

これは、断捨離術の成功ではなく、

心の整理が終わった時です。

 

つまり、物の整理と心の整理は

同じ速さで進むわけではないのです。

 

残しておきたいと思っているものを

思い切って捨てること。

これが悪いわけではありません。

 

しかし、捨てたからといって、

前進できるとも限りません。

 

捨てる技術があると同時に

残しておく技術というものも

確かに存在します。

 

大切なのは、物を残しておくかどうかより

それがあることを、あるいはないことを

心が納得しているかどうかです。

 

いつか手放してもいいと思う日が来ます。

 

今はまだ手元に置いておきたい。

そう思うのであれば、

残しておくことも

選択の一つではないでしょうか。

 

 

※過去の記事はこちらでご覧いただけます。

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