曽我部 キキョウ
目利きが消えた時代 ~人は何を基準に選べばいいのか
今でこそ、年中スーパーで見られる
キュウリやスイカといった
夏の風物詩的な食べ物ですが、
最近買いましたか。
どこで、どのように買ったのでしょう。
かつては八百屋や青果店で売っていました。
店のおっちゃんたちが、スイカを叩いて
「コレが甘いよ、これにしとき」と
教えてくれて、「ほな、それ」と
購入していました。
これが実は人生でも同じようなもので
「ええ人いるから会うてみ」から始まる、
誰かの紹介や見合いでの結婚も
数多くありました。
つまり、何を買えばいいか、
どう生きていけばいいか
誰かが教えてくれたのです。
さて、時代は変わって、
昨今では自分で選ぶことがいいとされ、
選択肢も大幅に増えました。
ところが、今やだれも選び方を
教えてくれません。
キュウリはただ大量に
スーパーで並んでいるだけ。
産地はシールが貼られていても
漬物とサラダ、どちらに適しているかは
特性が書いていない限り
誰も分からないのではないでしょうか。
人生にしても同じようなものです。
巷に人は溢れているけれど、
昔のようにおせっかいな年長者は
めっきり減りました。
だから人は、他人を見るのでしょう。
誰かがかごに入れたキュウリを、
きっと他よりいいのだろう、と
つい選んだことはありませんか。
店頭POPの「売れ筋No.1」を信じて
その商品を買う。
SNSで評判のものを買う。
クチコミを見て、店に行く。
それが悪いわけではありません。
少ない情報をもとに選ぶなら
合理的な方法でしょう。
しかし、それは「自分に合うもの」を
教えてくれているわけではありません。
昔なら「目利き」が
「これにしとき」と教えてくれました。
今は違います。
好きなものを選んでください、と置かれています。
だから甘いスイカを食べたいなら、
その選び方を知る必要があります。
幸せな人生を送りたいのであれば
ここも選び方を知らなくてはいけないのでしょう。
選択肢が増えたことで
人が迷っているのではありません。
自分にとっての「いい」を測る基準が分からないまま
選択肢だけが増えてしまって、
人は戸惑っているのではないでしょうか。
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