曽我部 キキョウ
完璧を目指す人ほど、なぜかミスをする ~なぜ「え、そこで?」が起きるのか
買い物に出る前を想像してみてください。
買うものをリストアップして、
外は暑いからと、ハンカチや日傘を用意して、
戸締りをチェックして、ガスも電気も消してある。
もう一度持ち物を確認して、さあ家を出ます。
結構、完璧だと思いませんか。
ところが、こういうふうに物事を
完璧にこなそうとする人に限って、
「え!?そこで?」
とびっくりするようなところでミスをします。
先ほどの買い物の場合、
そこまで準備しているのに、
「財布に現金が入ってなかった!」
というような事態です。
なぜ完璧を目指しているのに、
いとも簡単な部分でミスをするのでしょう。
これにはいくつか理由があります。
まず、注意力の配分が偏りやすくなります。
完璧を目指すと、
絶対に間違えてはいけないと思う箇所に
ものすごく集中します。
代わりに、その他がおろそかになりがち。
次に、想定外が増えることが挙げられます。
完璧にしようとすると、
こうなるだろうというシナリオを
細かく描きだします。
ところが、現実はそうそう
シナリオ通りには進みません。
少し予定が狂うことで、
頭の中で描いたシナリオが
まっさらになってしまうのです。
その結果が「え、そこ?」というミスです。
さらに重要なのが、
脳の処理能力の問題です。
どんなに優秀な脳でも、
処理できる情報には限りがあります。
完璧を目指す人は、
多くのことを同時に管理しようとしがちです。
手順、品質、相手の反応に、今後の展望。
あれもこれもと考えると、
簡単なことほど抜けやすくなります。
そして、どれもこれも完璧にしようとするので
重要ポイントと、そうでないところの区別が
ついていないとも言えます。
そこまで気配りしているのに、
こっちは忘れる!?
というミスがあるのはこのためです。
また、完璧を求めている人は
日ごろからきっちりしているイメージです。
すると、小さくてもミスを見つけたときに
印象に残りやすいのです。
期待と違うことが、
記憶に残りやすいのと同じです。
通常、完璧にできたらいいね、と言いつつ
80点以上は合格などと
ある程度の折り合いをつけるポイントがあります。
ところが、完璧を目指す人に多いのは、
「100点は無理でも、
それを目指さないのは手抜きだ」という発想です。
本来は理想であるはずの「完璧」が
現実的な目標になっています。
完璧を求めても、完璧にできないなら
最初からそこを目指さない。
それも一つの選択です。
それでも完璧を目指すというのもありです。
ただし、完璧を目指すことが、
かえって完璧から遠ざかることに
なるかもしれません。
選べる道を増やす、もう一つの見方を
曽我部キキョウ
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