曽我部 キキョウ
で、いくら払えばいいんですか?
想像してみてください。
自分の過失で
誰かに損害を与えた場合、
あなたはどうしますか。
分かりやすく言うと、
自動車の接触事故。
相手の車に傷をつけてしまった場合。
もちろん、まずは謝罪があるでしょう。
それでお互いが納得し、
修理費を出します、で終わると
平和に解決です。
けれども、そういう交渉が面倒なとき。
「で、いくら払えばいいんですか」
そんな言葉を使いませんか。
離婚の例を見てみましょう。
配偶者が不貞を働いた。
この裏切り行為に対して
慰謝料というシステムがあります。
「で、いくら払えばいいんですか」
仕事上のミスで
取引先と揉めてしまい、
会社が大損害を被ったとしましょう。
どう責任を取ってくれるんだ、
という話になった時。
人によっては口にするのが、
またこの言葉です。
「で、いくら払えばいいんですか」
責任を取るとは
本来お金を払うことではありません。
どう責任を取るか、
それはもちろん
ケースによって変わってきます。
しかし根元には、同じ部分があります。
何をしてしまったのか。
相手はどのような気持ちを抱いたのか。
どうすれば埋め合わせができるか。
ここを考えたうえでの行動、
そしてその一部として
金銭的な話が出てくるのです。
ところが、すぐにお金の話を持ち出すことによって
責任が金銭に化けてしまっています。
かつての人間関係でしたら、
何度も謝罪する、
相手の話を聞く、など
自分の時間を犠牲にしていました。
それこそが誠意だったのです。
金銭で自分が引き受けるべき面倒や
不快さまで解消しようとしてしまうと
「で、いくら払えばいいんですか」という
言葉が出てくるのではないでしょうか。
金銭を支払うことによって
自分のしたことに対して
どのように償うのかを
もう考えなくていい。
これは現代的な思考の癖かもしれません。
「で、いくら払えばいいんですか」
「金の問題じゃないんだよ」
どれだけ金銭を払っても
責任は最後まで
自分自身にあるのです。
選べる道を増やす、もう一つの見方を
曽我部キキョウ

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