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曽我部 キキョウ

知らないから怖い、知っているから怖い

子どもの頃の「怖い」は

知らないものに対する恐怖が

大部分を占めています。

 

押し入れにお化けがいる!

雷がおへそを取りに来る!

大きな犬が僕を食べちゃう!

 

まだ知らないことが多く、

どこまでが現実で、あるいは非現実で

それが大丈夫なのかも分からない。

だからこそ、怖いと思います。

 

これらの怖さに対して、

子どもは大人に訴えます。

そして大人は、大丈夫だよ、と

子どもを安心させるのです。

 

こうして恐怖を乗り越えて

大人になってくると

徐々に世界は広がり、

現実に起こるかもしれないことが

怖くなってきます。

 

未知のものを怖がるのではなく、

知っているからこそ怖くなるのです。

 

調子が悪い、深刻な病気だったらどうしよう。

ボーナスが出ないらしい、ローンどうしよう。

友だちと喧嘩した、もう口きいてもらえないかも。

 

子どもの想像力と違い、

経験や知識があるからこそ、

その未来がやってくるとどうなるか、

予想をして怖がります。

 

しかも、大丈夫だよ、と誰かに言われても

だから安心できるというものでもありません。

 

病気かもしれない、と怖がっているのに、

友だちが「大丈夫」と言ってくれたところで、

あなた医者じゃないでしょう、となる。

 

結局は自分で医者に行き、

診察や検査を受けて、

大丈夫である証拠をつかむまで

安心はできません。

 

さらに厄介なことに、

大人はその先に起こるかもしれないことを

次から次へと予測できてしまうのです。

 

病院の検査で何事もなかったらいいけれど。

もしかしたら癌かもしれない。

癌だったとしたら、手術で取れるだろうか。

手遅れで余命宣告されたらどうしよう。

 

まだ起きてもいないのに、

最悪の事態まで考えるから

どんどん怖くなってしまいます。

 

そんな大人の「怖い」に必要なのは、

単純に「大丈夫」だけを

言ってくれる人ではありません。

 

例えば先ほどのがんの話であれば。

 

早期発見は大事だよ。

とにかく病院に行った方がいいよ。

最悪癌が見つかっても、

あなたなら乗り越えられるよ。

 

そういう、行動を促してくれる励ましが

大人の恐怖の克服には

必要になってきます。

 

怖さはどれだけ年を重ねても

形を変えてやってきます。

だからこそ、怖さを消すだけではなく

怖くても動ける、ということが大事です。

 

誰かの力を借りてでも、

動くことで、怖さへの対処が

始まっていくのではないでしょうか。

 

選べる道を増やす、もう一つの見方を
曽我部キキョウ

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