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あぐり

時給も悪くない。教える体制もある。それでも良いスタッフが来ない ――カップ9逆位置が教える「働きたいと思われる職場」のつくり方

「カフェのスタッフを募集しているのですが、なかなか良い人が集まらないんです」

そんなご相談がありました。

時給は、周辺のお店と比べても悪くない。

求人もきちんと出している。

経験者だけを求めているわけでもなく、

「最初からできなくても大丈夫。仕事はきちんと教えます」

という体制も整えている。

それなのに、

なかなか「この人なら」というスタッフに出会えない。

相談者は、

「これ以上、何をしたらいいのでしょうか」

と悩んでいました。

そこでタロットを引いたところ、出たのは、

カップ9・逆位置。

このカードを見たとき、私は、

「条件を増やす前に、“働く人がここで何を満たせるのか”を見直してみてください」

というメッセージなのではないかと感じました。

カップ9は「満足」を表すカード

カップ9の正位置には、9つのカップを背にして、満足そうに座る人物が描かれています。

願いが叶う。

欲しかったものが手に入る。

満足する。

充足する。

「これで十分」と感じられる。

そんなカードです。

ところが今回は逆位置。

ここには、

「欲しいものは揃っているように見えるのに、なぜか満たされない」

という状態が表れることがあります。

今回の相談にも、どこか重なります。

時給は悪くない。

求人も出している。

未経験でも教える。

条件としては、それなりに整っている。

それでも人が集まらない。

だとしたら、一度考えてみたいことがあります。

その条件は、雇う側が考える「良い条件」ではないでしょうか。

働く人が求めているものは、時給だけではない

もちろん、時給は大切です。

待遇も重要です。

仕事をきちんと教えてもらえることも安心材料になります。

けれど、人が、

「ここで働きたい」

「ここなら長く続けられそう」

と思う理由は、それだけではありません。

職場の雰囲気はどうなのか。

忙しいとき、スタッフ同士で助け合えるのか。

失敗したとき、必要以上に責められないか。

店長や先輩には質問しやすいか。

頑張ったことを見てもらえるか。

シフトの相談はしやすいか。

一緒に働く人たちはどんな人なのか。

そして何より、

「ここで働いている自分を想像したとき、少し楽しそうだと思えるか」

ということです。

今回出たのは、カップのカードです。

カップは感情や心、人間関係を表します。

ですから、

「さらに時給を上げればいい」

「もっと求人媒体を増やせばいい」

ということだけではなく、

職場にある“感情的な魅力”を見直す必要がある

と読むことができます。

「良いスタッフ」とは、どんな人なのか

もう一つ、カップ9逆位置から考えてみたいのが、

「良いスタッフが欲しい」という願いそのものです。

ところで、

「良いスタッフ」とは、具体的にどんな人でしょう。

明るい人。

気が利く人。

責任感がある人。

接客が上手な人。

自分で考えて動ける人。

長く働いてくれる人。

素直に学べる人。

どれも「良いスタッフ」に見えます。

けれど、すべてを最初から持っている人は、そう多くありません。

それなのに、

「最初からできなくても教えます」

と言いながら、心のどこかでは、

「このくらいは普通、分かるでしょう」

「これくらい気づいてほしい」

「言わなくても動いてほしい」

と思っていることはないでしょうか。

もしそうなら、

求人上では未経験者歓迎でも、実際には完成された人材を求めている

というズレが生まれます。

カップ9逆位置には、

理想や期待が少し膨らみすぎていないか

を見直す意味もあります。

「良い人を探す」から「良い人が育つ場所をつくる」へ

では、どうしたらいいのか。

私は今回のカードから、

「良いスタッフを探す」という発想から、「良いスタッフが育ち、残りたくなる職場をつくる」へ

少し視点を変えてみることをおすすめしたいと思います。

採用というと、

どの求人サイトに出すか。

時給はいくらにするか。

どんな経歴の人を採るか。

どうしても外側へ意識が向きます。

けれど一度、内側も見てみる。

今いるスタッフは、この職場で気持ちよく働けているでしょうか。

これまで辞めていった人は、なぜ辞めたのでしょう。

新人が入ったとき、本当に質問しやすい雰囲気になっているでしょうか。

仕事を教える仕組みはあっても、

「分からない」と言える空気

まで用意されているでしょうか。

ここは、とても大切です。

求人票にも「働く未来」を書いてみる

求人票も、

「時給○円」

「未経験者歓迎」

「研修あり」

だけでは、条件の説明で終わってしまいます。

もう一歩進めて、

どんな人たちが働いているのか。

どんなふうに仕事を教えるのか。

忙しいときはどのようにフォローするのか。

どんな人が、この店で生き生きと働いているのか。

そんなことまで伝わると、

応募する側は、

「自分がそこで働いている姿」

を想像しやすくなります。

採用とは、会社が人を選ぶだけではありません。

働く人も、

「ここに自分の時間を預けたいか」

を選んでいます。

条件ではなく、「満足のズレ」を見直す

カップ9逆位置が今回伝えているのは、

「もっと待遇を良くしてください」

という単純な話ではないように思います。

むしろ、

雇う側が提供している満足と、働く側が求めている満足は、本当に一致していますか?

という問いです。

時給。

研修。

仕事内容。

人間関係。

安心感。

楽しさ。

成長。

働きやすさ。

そのどこかにズレがあると、

条件としては悪くなくても、人の心は動きません。

「良い人が来ない」

と悩んだとき、

外へ向かって求人を増やす前に、

一度、自分たちの職場を内側から見直してみる。

良い人を探すだけではなく、良い人が「ここで働きたい」と思える場所をつくる。

カップ9逆位置は、

そんな視点の転換を教えてくれているように思います。

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