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忍野叶眞

占い師に向いている人ってどんな人だろう?

四柱推命や西洋占星術の本を見ていると、
「あなたは占い師に向いています」
と書かれていることがあります。
私にも当てはまる部分です。
でも、ふと疑問に思うことがあります。
「占い師に向いている」って、
一体何を基準に言っているんだろう?
不思議に感じませんか?

実際、私自身、最初から占い師に
なりたかったわけではありません。
もともとタロットカードの織りなすストーリーが面白くて
勉強していた時期がありました。
78枚の異なる絵柄が
それぞれ独特の表現を持っている。
しかも、その78枚の中に
人生で起こりうることが全部詰まっている。
これって、めちゃくちゃミステリーじゃないですか。
「どうして78枚のカードで
人間の人生をこんなにも表現できるんだろう?」
そこが気になったことが
私のタロットカードへの興味の原点でした。

当時、私は絵を描いていて
絵本を作ろうと考えていました。
そんなとき、
「オリジナルのタロットカードを作りたい」
という衝動が湧いてきて
実際に作り始めたんです。
その頃、近所の占いの館でタロット講座を
やっていることを知り、申し込んで受講しました。
ところが、そのときの先生から、
「ぜひ占い師になった方がいい」
と、何度も勧められました。
私自身は占い師になろうと
思っていたわけではなかったのですが
それがきっかけとなり
私は占い師になりました。

振り返ってみると、私の場合は
「占い師になりたい」
という気持ちが先にあったわけではありません。
ただ、
「このカードって、なんでこんなに面白いんだろう?」
「人間の人生って
どうしてこんなふうにカードで表現できるんだろう?」
という疑問があって、もっと知りたくなった。
そこから
気がつけば占い師という仕事につながっていました。

そして、改めて自分の四柱推命の「適職」を見てみると
少し面白いことが書かれています。
年柱には、
芸能界、料理屋、医者、マスコミ、美容師、デザイナー、占い師。
日柱には、
政治家、自衛隊、警察官、弁護士、建築関係、技術職、スポーツ。
そして時柱には、
総務、経理、事務、金融関係、製造業など、固く堅実な仕事。
……ずいぶんバラバラですよね。
これだけ並んでいると、
「結局、私は何の仕事が向いているんだろう?」
と思ってしまいます。

でも、もしかすると、
四柱推命が言っている「適職」というのは
職業名そのものを当てるものではないのかもしれません。
芸能、マスコミ、デザイン、占い。
一見すると違う仕事ですが
そこには
「表現する」「専門性を使う」「人に何かを届ける」といった
共通する性質があります。
一方で、政治家や警察官、弁護士、技術職には
「判断する」「責任を持つ」「専門的な知識を使う」
「実際に行動する」といった性質があります。
総務や経理、金融、製造業なら
「正確さ」「管理」「仕組み」「継続性」といった
性質が考えられます。
そう考えると
「適職」として書かれている職業は
未来の職業を一つに決めるものではなく
その人がどんな能力や性質を使って仕事をすると
力を発揮しやすいのかを
職業という形に置き換えて表現しているのかもしれません。

では、占い師の場合はどうでしょう。
占い師には、占術の知識が必要です。
でも、知識が多ければ
それだけで良い占い師になれるわけではありません。
人の話を聞くことも必要です。
相手の言葉から情報を拾うことも必要です。
占術を使って考えることも必要です。
そして
それを相手に伝わる言葉に変える必要があります。
さらに、
「この人は、なぜこのことを相談しに来たんだろう?」
と考えることもあるでしょう。
そう考えると、
「人生経験が豊富だから占い師に向いている」
というわけでもなさそうです。

人生経験が豊富でも
自分の経験をそのまま他人に当てはめてしまえば
相談者の話を聞くことができなくなるかもしれません。
逆に、まだ人生経験がそれほど多くなくても、
「どうしてこの人はこう考えるんだろう?」
「なぜこの出来事が起きたんだろう?」
と、人間について考えることが好きな人もいます。
占いの知識についても同じです。

知識をたくさん持っていることと
それを使って人を理解することは、
同じではありません。
もしかすると占い師には、
「知りたい」という気持ち
が結構大切なのかもしれません。
占術を勉強しても、
「じゃあ、この場合はどうなるんだろう?」
と疑問が出てくる。
人の話を聞いても、
「なぜこの人は、こういう選択をしたんだろう?」
と気になる。
分からないことがあれば調べてみる。
一度覚えたことでも
別のケースを見て考え直してみる。
そうやって、人間や占いについて考え続ける。
これは、いわゆる「研究者気質」と
呼ばれるものに近いのかもしれません。
ただ、占い師に必要なのは
それだけでもないと思います。
研究対象として人間を見るだけではなく
目の前にいる人に興味を持てること。
そして、自分が答えを出すことよりも
相手が自分自身を理解する手助けができること。

そう考えていくと
私が今のところ
「占い師に向いているのかもしれない」と思うのは
人間に興味を持ち「なぜ?」と考えることができて
分からないことをそのままにせず
自分なりに考え続けられる人
そして、その答えを自分のためではなく
目の前の人に返していける人です。
もちろん、これが正解というわけではありません。
占い師に求められるものは、
お客様によっても違いますし、
ニーズも流動的で予測がつきにくいものです。

そして
これは占い師に限った話ではないと思います。
「あなたは営業に向いています」
「あなたは教師に向いています」
「あなたは芸術家に向いています」
占いでは
さまざまな職業が「適職」として
出てくることがあります。
でも、それは「その仕事に就けば成功する」
という意味ではないはずです。

その人がどんなことに興味を持ち
何を考え、どんな環境で力を発揮するのか。
「適職」という言葉も
職業名そのものではなく
そこにある性質や能力を見ているのかもしれません。
「占い師に向いているって、なんだろう?」
まだ、私の中では謎のままです。

にんにん
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