あぐり
風見鶏のような同僚に振り回されないために ― 地雷復 上爻が照らす「信頼」の見極め
人のいうことを、頷いたかと思うとすぐに逆に意見にも迎合する同僚がいます。その場限りの対応をする同僚にムカついています。どうすればいいでしょうか?
易を立てたところ、地雷復(ちらいふく)上爻
その苛立ちは、もっともなものです。
人は言葉によって関係を築きますが、その言葉がその場しのぎで移ろうとき、そこには「関係」ではなく「風向き」しか存在しなくなるからです。
では、易経の「地雷復(ちらいふく)上爻」が、この状況にどのような光を当てるのか──静かに見ていきましょう。
■ 地雷復 上爻の本質
「復」は“戻る”ことを意味します。
本来の道、本来の心へと回帰する卦です。
しかし上爻に至ると、それはすでに「戻るべき時を逸した状態」を示します。
戻るべきときに戻らなかった者は、
迷いの極みに至り、かえって災いを招く。
つまりこの同僚は、
自分の立場や意見の軸に「戻ること」ができない人です。
・相手に合わせて頷く
・別の相手には逆のことを言う
・その場その場で態度が変わる
これは「柔軟」ではなく、
自分の中心を見失った状態です。
■ あなたが感じている違和感の正体
あなたが感じている「ムカつき」は、単なる感情ではありません。
それは、
**“言葉と心が一致していないことへの本能的な拒否”**です。
人は無意識に、「この人は信用できるか」を感じ取ります。
その同僚の振る舞いは、信頼の土台を崩すもの。
だからこそ、あなたの内側で
「これは違う」という感覚が生まれているのです。
これはむしろ、健全な感覚です。
■ この卦が示す処し方
では、どう関わるべきか。
地雷復 上爻は、はっきりと告げます。
「関わりすぎるな。巻き込まれるな。」
この段階の「復」は、
本人が自ら気づいて戻る以外に道がありません。
あなたが正そうとしても、
忠告しても、理解させようとしても、
それは届きにくい状態です。
だから取るべき姿勢は──
① 深く信用しない
言葉をそのまま受け取らない。
「この人は風向きで動く人」と理解する。
② 距離を保つ
必要以上に関係を深めない。
業務上のやり取りにとどめる。
③ 自分の軸を守る
相手に合わせて、自分まで揺れないこと。
■ 最も大切なこと
この卦は、相手以上に「あなた」に問いかけています。
あなたは、自分の言葉に責任を持っているか。
あなたは、自分の立場を見失っていないか。
相手の不安定さに触れたとき、
人はつい巻き込まれ、自分の軸も揺らぎがちになります。
しかしここで大切なのは、
「自分はどう在るか」を静かに定めることです。
■ 結びに
風に揺れる草を見て、腹を立てる必要はありません。
草はただ、風に従っているだけです。
けれど──
あなたは、草である必要はない。
地に根を張る木のように、
静かに、しかし確かに、自らの立場を生きてください。
その姿こそが、
言葉に重みを取り戻し、
関係に真の信頼をもたらしていくのです。






